2010 Fiscal Year Annual Research Report
非線形音響エバネッセンス波によるナノ・マイクロバブル計測技術開発の基礎研究
Project/Area Number |
22656046
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
矢野 猛 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60200557)
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Keywords | 気泡流 / 非線形波動 / KdV-Burers方程式 / 非線形Schrodiner方程式 / KZK方程式 / マイクロバブル |
Research Abstract |
本研究は,極微細気泡を多数含む水中に超音波を照射し,非線形散乱波の振幅と周波数を計測することによって,気泡径と数密度分布を測定する新技術の開発をめざして,そのための基礎理論を創成することを目的とする.とくに,音響エバネッセンス周波数帯域(遮断周波数帯域)を利用して気泡振動の非線形効果と音波伝播の非線形効果を誘起し,非線形特性から気泡径と数密度を同定するという斬新な着想により,ナノバブルの存在問題とその動的特性解明に突破口を拓くことが狙いである.この目的達成のために,気泡流の2流体モデル方程式に対して特異摂動展開法に基づく非線形波動理論を適用し,さまざまな非線形音響波の支配方程式の導出を可能とする一般理論の構築を行った.この理論の構築によって,気泡流中の多様な波動現象を記述する多様な非線形方程式群が導かれた.それらは,(i)気泡固有振動数に比較して十分に低周波数の圧力変動の非線形平面進行波としての伝播を記述するKdV-Burgers方程式,(ii)気泡固有振動数と同程度の周波数の圧力変動の非線形変調の伝播を記述する非線形Schrodinger方程式,(iii)気泡固有振動数に比較して十分に低周波数の圧力変動の回折をともなう非線形伝播を記述するKZK方程式などである.このような多様な非線形方程式群を系統的に導出することが可能な理論を構築したことは,困難な数々の気泡流問題の解決のための確固とした理論的基礎が得られたことを意味する
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Research Products
(4 results)