2011 Fiscal Year Annual Research Report
熱力学・幾何学に基づく液滴濡れ挙動の整理と接触角予測式の構築
Project/Area Number |
22656048
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
米本 幸弘 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 敦賀本部・レーザー共同研究所, 研究員 (70516418)
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Keywords | 表面・界面物性 / 濡れ性 / 接触角 / 表面張力 |
Research Abstract |
本研究の目的は、固体面上液滴の濡れ性を定量的に予測する接触角予測式を構築することである。固体面上の液滴の濡れ性は、三相界面.(気液・固気・固液)が交わる接触点の力学的平衡条件(ヤングの式)により定式化され表面張力と接触角により成り立つが、実際の接触角を正確に予測できない。申請者の理論的研究により導出された新たなヤングの式は、液滴半径をさらに変数として加味した式である。その式は、液滴半径と液滴接触角の関係に関する既往の実験結果を定量的に予測できるものの、より一般的な接触角予測式を構築するためには、理論式中に現れる任意変数を実験的に把握する必要がある。 今年度は前年度に製作した接触角測定装置を用い、より深い理論検討を行うためにサンプル数を増やす補足実験を実施し、そのデータを基に理論検討を行った。液体には純水を用い、固体基板にはシリコン系のゴム板を用いて実験を行った。シリコン系のゴム基板における固体の表面エネルギーの評価に関する実験及び理論的な考察から、液滴の接触角を用いた固体の表面エネルギーの評価方法では、液滴のサイズに応じて新たなヤングの式と従来の式を使い分ける必要があることが示唆された。また、取得したデータを基に簡単な理論検討を行った結果、新たなヤングの式に現れる任意変数を定量的且つ物理的に理解するためには、湿度等の周囲環境の影響を加味した新しい観点での理論検討が必要であることがわかった。
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Research Products
(1 results)