2010 Fiscal Year Annual Research Report
湿度操作による空気中ナノ浮遊粒子・ガス状化学物質の除去
Project/Area Number |
22656054
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
中別府 修 明治大学, 理工学部, 教授 (50227873)
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Keywords | 空気清浄 / 湿度操作 / 浮遊粒子状物質 / SPM / ガス状化学物質 / ナノ浮遊粒子 / 蒸発 / 凝縮 |
Research Abstract |
本研究は,空気を加熱加湿し冷却除湿する湿度操作により,空気中のナノ~マイクロメートルサイズにわたる全浮遊粒子状物質,およびガス状化学物質の除去技術を提案し,その性能,実現性を明らかとすることを目的としている.本年度は,流量3L/分の空気を矩形流路内へ導入し,ナノ~マイクロメートルサイズの浮遊粒子状物質の湿度操作による除去効果とアンモニアを用いた化学物質除去特性を調べた。微粒子除去に関しては,空気を70℃程度の飽和湿り空気まで加熱・加湿し,約10℃の冷却水を用いたヒートシンク型冷却除湿器で除湿することで,約80%の浮遊微粒子除去が行えることが実験的に明らかとなった。除去機構としては,水蒸気の凝縮に伴う吸い込み流れと除湿部での熱泳動が主要な効果と考えられ,ナノ粒子で重要な拡散沈着とマイクロ粒子で重要な重力沈降と共に微粒子除去に貢献していると見積もられた。特に,フィルター法や静電法で除去が難しい10ナノメートル~1ミクロンサイズの粒子が実験的に70%以上除去されることが分かった。 ガス状化学物質の除去特性に関しては,アンモニア除去量が湿度操作する水分量と強い相関があることが分かった。フレッシュな水が空気清浄装置内にある場合は,流入するアンモニアを90%以上の高い割合で除去するが,内部水にアンモニアが溶解すると除去量が低下し,30~40%の割合まで除去効果が低下することが実験的に示された。ガス状物質の除去には,装置内の水管理が重要であり,今後対象物質を溶解した水の排水機構を導入することとした。
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