2011 Fiscal Year Annual Research Report
ハイパワー出力可能な超小型リニア圧電アクチュエータの研究
Project/Area Number |
22656057
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
保坂 寛 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (50292892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 剛 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (60344735)
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Keywords | マイクロ・ナノメカトロニクス / 圧電モータ |
Research Abstract |
本研究は、ソフト系積層圧電素子を用いていた従来のSIDM駆動に代わり、2つの共振振動モードを重ね合わせることで懐疑的ノコギリ振動波形を生成させることを提案し、共振駆動型SIDM(R-SIDM)と命名した。この技術により、入力電圧を下げて効率的な駆動が可能になるだけでなく、シンプルな単層圧電素子によって振動子を構成できるようになる。 昨年度までにアクチュエータ振動子の試作を行い、その駆動原理を確認することに成功している。振動子は、長さ10mm、幅2mmの縦振動モード段付振動子であり、共振周波数比もほぼ1:2にすることができた。しかし、提案原理での駆動では、共振周波数比を正確に制御することが必要であり、製作誤差や温度変化、予圧負荷に伴う共振周波数変化の影響が大きい。 本年度はこのような様々な外的要因に対する共振周波数比変化の影響を実験的に明らかにし、それを補正するために、圧電素子への入力端子に直列にインダクタを挿入することを提案した。これらの研究により、共振周波数比を変化させる最も大きな要因は製作誤差であり、2.00から2.18までのばらつきが見られた。また、提案したインダクタ挿入と共振周波数比の関係を、等価回路計算によって定量的に明らかにした。その一例として、共振周波数比が2.14であるときに0.022mHのインダクタを挿入することで2.06に補正することを実証し、同一入力電圧の条件において、スライダの代用として用いたベアリングの回転数が152rpmから2241rpmに向上できることを確認した。一方で、過大なインダクタ挿入は圧電素子の制動容量との共振現象を引き起こすため、共振周波数比制御にはある限界値が存在することを見出した。
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Research Products
(8 results)