2010 Fiscal Year Annual Research Report
スローライトと光ジャイロを利用した並進速度の直接計測法
Project/Area Number |
22656058
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
澤野 宏 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教 (40514295)
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Keywords | メカトロニクス / 速度センサ / スローライト / 光ジャイロ / レーザー / 並進速度 / 電磁誘導透過 |
Research Abstract |
スローライトと光ジャイロの技術を組み合わせることにより,加速度を積分することなく並進速度を直接計測可能な新しい計測原理を提案することを目的として,平成22年度は,計測原理を確認するための実験装置の製作と原理確認のためのシミュレーションをおこなった. (1)実験装置の製作 提案する並進速度の直接計測法の原理確認をおこなうため,光源,3個の偏光ビームスプリッタ,音響光学周波数変調機,2個のハーフミラー,スローライトを発生させるためのナトリウム封入管,封入管を加熱するための温度調節システム,検出器,ならびに速度を発生させるための1軸駆動システムから構成される速度計測システムを製作した.安定した速度計測を可能とするため,計測システムは精密除振台上に設置され,さらに装置全体をエンクロージャで覆っている.製作した計測システムにおいて,ナトリウム管の加熱実験およびスローライトの発生確認実験をおこなった. (2)速度計測シミュレーション 提案する並進速度の直接計測法の有効性を示すために,光干渉強度に関するシミュレーションをおこない,速度と検出される光強度の関係を調べた.光源の光強度10mW,波長488nm,光速度に遅延が生じるナトリウム管の長さを100mm,スローライトの減速比を1/100として計算をおこなった結果,1mm/sの速度変化に対しておよそ0.04mWの光強度変化が生じることを明らかにした.この結果から,製作した速度計測システムにより,並進速度の直接計測が十分可能であることを明らかにした.
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