2011 Fiscal Year Annual Research Report
車載用デュアルロータ型永久磁石リラクタンスジェネレータの開発
Project/Area Number |
22656064
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 健二 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70323061)
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Keywords | 永久磁石リラクタンスジェネレータ / 磁気ギア / ハイブリッド自動車 / 極異方性磁石 / ボンド磁石 |
Research Abstract |
平成23年度においては、前年度からの検討に引き続き、永久磁石リラクタンスジェネレータ(PMRG)と磁気ギアを組み合わせることで、発電システムの小型・軽量化を目指すべく検討を行った。すなわち、一般に発電機の動作回転数を高くすると、体格は小さくできるため、磁気ギアを用いて所望の回転数まで増速すれば、PMRGを小型化できる。ただし、高速化に伴い、磁気ギアの損失、特に永久磁石の渦電流損が増大する。昨年度は、表面磁石型と埋込磁石型の2種類の磁気ギアについて、有限要素法(FEM)を用いて比較・検討したところ、埋込磁石型にすることで磁石渦電流損の大幅な低減が可能であることを明らかにした。 今年度は、さらなる高効率化を目的として、物性上、渦電流がほとんど生じないボンド磁石を用いた磁気ギアについて検討を行った。ただし、ボンド磁石の磁気特性は、一般的な焼結磁石に対して劣ることが知られており、単純な置き換えでは所望のトルクを得ることはできない。そこで、極異方性着磁に着目した。一般的なラジアル異方性着磁に対して、極異方性着磁は磁石磁束が一方の面に集中するため、磁石磁束が増加し、また回転子ヨークが不要などの特長を有する。まず初めに、簡単な磁気回路を用いて、極異方性着磁の優位性を解析的に明らかにするとともに、極異方性ボンド磁石を用いた磁気ギアの特性について、FEMを用いて比較・検討を行った。その結果、ボンド磁石の磁気特性は、焼結磁石の約6割程度であるにもかかわらず、極異方性着磁を採用することで、同等以上のトルクを達成できることが明らかになった。また、損失は従来のラジアル異方性焼結磁石を用いた磁気ギアに対して、8割程度削減できることが明らかになった。 以上の検討により、極異方性ボンド磁石を用いた磁気ギアを用いて所望の回転数まで増速し、小型のPMRGによって発電するシステムについて、おおよその目途が立ったと言える。
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Research Products
(4 results)