2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22656076
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| Research Institution | Tokai University |
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Principal Investigator |
千葉 雅史 東海大学, 開発工学部, 教授 (70236818)
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| Keywords | 透明導電材料 / レアメラルフリー / 水酸化マグネシウム / 機能性薄膜 / ブルサイト層状化合物 / 電子状態 / 光学的特性 / 電気的特性 |
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| Research Abstract |
●具体的内容
本提案が主題とする透明導電材料は,インジウムなどの希少金属を全く使用しない無機化合物である.昨年度の研究過程で端緒を得た新規材料の母相は,層状構造をした絶縁体の水酸化マグネシウム(Mg(OH)_2:Magnesium Hydro Oxide)であり,これに電気伝導性を付与するためのグラファイトカーボンを格子中に組み込んで新規機能の実現に近付いた.今年度は更に構成元素と合成方法の最適化を進め,電気的ならびに光学的特性評価に関する実験を重点的に推進した.具体的には,出発試料となる薄膜の組成比や成膜条件の最適化をはかり,さらに構造評価を行った.一方で電気伝導メカニズムの解明に関しては分子軌道計算を併用し,実験事実とシミュレーションの相関を見ながら考察した.
●意義
本研究は透明導電性薄膜に関する研究分野において,極めて新規性が高い着想に基づいており,本研究に直接競合する材料設計や研究は世界を見渡しても見当たらない.本提案が主題とする透明導電材料は,液晶ディスプレイやタッチパネル,さらには太陽電池等に搭載される透明電極として広範な応用が考えられる.本研究開発では希少で高価な元素を全く含まない新規な透明導電性材料の創成を主眼とし,資源枯渇の心配が無い構成元素からなる新規材料の開発を目的として展開したものであることから,元素戦略的にも非常に意義深い.
●重要性
今年度明らかにしたのは,(1)ブルサイト構造をしたM(OH)_<a-x>で示される化合物の合成手法の精密化と構成元素の最適化,(2)合成した薄膜の表面抵抗への影響を解析し,導電メカニズムを解明することの2点である.(1)の結果は雑誌論文MRS Online Proceedingsに発表した.また,(2)の結果については応用物理学関係連合講演会などの学術講演会にて5件発表した.
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