2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22656078
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
雨宮 好仁 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 特任教授 (80250489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 庸夫 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (90374610)
浅井 哲也 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (00312380)
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Keywords | 磁束 / 電荷 / 回路素子 / スピン / 磁気モーメント / 半導体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、磁束φと電荷qを結ぶ電子デバイス、すなわち「電荷を与えれば磁束を生じ、磁束を与えれば電荷を生じる素子」を開発することである。このようなφ-q素子の実現方法として、偏極スピン電子注入電極を持つ半導体素子を先に提案した。しかしφ-q素子の必要条件である「可逆性」を得るためには電子回路の補助を必要とした。次の段階として、本年度は素子そのものに可逆性がある真のφ-q素子の構成法を考案した。その際、デバイス設計の自由度をひろげるために電荷の定義を見直して「電荷は分極電荷でもよい」とした。このように考え直したときφ-q素子は磁気モーメントと電気双極子をあわせ持った分子からなる物質で実現できる、ということを明らかにした。このような物質-磁性誘電体では磁化と電気分極が直接に結びついているから、それだけで磁束と分極電荷を可逆的に結ぶことができる。分子の磁気モーメントをm、電気双極子モーメントをpとおけば、反磁場が無視できる物質形状のとき物質内の磁束密度βと物質表面の分極電荷σとの関係はB=Kσとなる。この関係は可逆的に成り立つので、この物質そのものでφ-q素子が構成できる。磁性誘電体としてはMnWO_4, TbMnO_3, Ba_2Mg_2Fe_<12>O_<22>,あるいはナノ粒子-樹脂の複合体などのマルチフェロイック材料を使用すればよい。したがって本提案のφ-q素子は実際に構成できるものである。
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Research Products
(3 results)