2010 Fiscal Year Annual Research Report
CNTを用いた未来超音波通信システム用超音波源の研究
Project/Area Number |
22656081
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
三村 秀典 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (90144055)
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Keywords | カーボンナンチューブ / スピーカ / 熱音響効果 / 超音波源 / 超音波通信 / 塩化鉄触媒 / CNT繊維 |
Research Abstract |
目標は、カーボンナンチューブ(CNT)を用いた小型5cmx5cm(大型は1mx1m以上も可能で、大きさの制限はない)の超音波源を製作することである。性能目標は、未来超音波通信システムに利用可能である、周波数帯域40kHz~100kHz、音圧100dBを目標とする。 塩化鉄触媒用いた、熱化学成長法(CVD)を用いて高速成長(20分の成長時間で2mmの垂直配向CNTを成長できる)でかつ、ピンセットでつまむだけで容易に繊維状にすることができる独自の多層CNTを開発した。このCNT繊維をパラジウム電極をコートした木枠に巻きつけ、平面状のCNTスピーカを製作した。大きさは、5cmx5cmである。CNTスピーカにサイン波を入力し、その音圧と発生音波の周波数帯域を測定した。周波数帯域40kHz~100kHzで音圧は90dBであった。CNTスピーカの入力信号とCNTの温度とサウンド波形を比較したところ、入力波の2倍の周波数の音波が発生していることがわかり、CNTスピーカは熱音響効果によって音波を発生していることがわかった。CNT繊維は、多数のCMの連結から構成されている。すなわち、CNTとCNTのコンタクトが音響特性に影響することがわかった。また、綿のような表面モロフォロジーと紙のように固めた表面モロフォロジーの場合の音響特性について調べたところ、綿のような表面モロフォロジーの方の音圧が高いことが分かった。これらの知見により、音圧100dBを実現するためには、CNTスピーカの詳細な熱解析が重要であることが分かった。
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