2011 Fiscal Year Annual Research Report
三次元ウェハレベル実装を目指したマルチフェイズ接合法の開発
Project/Area Number |
22656083
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤本 公三 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70135664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福本 信次 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60275310)
松嶋 道也 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90403154)
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Keywords | 低温接合 / 固液反応 / カーケンダルボイド / 偏析 / Zn添加 |
Research Abstract |
近年,電子デバイスの高密度化および使用環境の高温化にともない,200℃以上での使用環境に耐えうるCu接合部を300℃以下で得なければならなくなってきた.本研究ではCuの低温接合をSn/Cu多層薄膜をインサート材として用いることで,接合部に固液共存状態を作り出して接合してきた.しかしながら,一方で接合部にボイドが残ることが問題となっていた.本年度は,Znをインサート層中に微量添加することで接合部に形成されるボイドを抑制し,高い信頼性を持つ合金接合部の形成を目標として基礎的検討を行った. 接合面に供給するインサート層として,母材のCu側からSn/Zn/Cu/Snの順に真空蒸着法で成膜した.この多層膜の構成は,Snを1層あたり2μm厚で2層と,その間にCuを0.38μm厚,Znを0.02岬厚とした.300℃の環境下で,接合時間を変化させて接合を行った.接合界面の組織および元素分布を電子顕微鏡でおよびEDXを用いて調べ,接合メカニズムについて明らかにした. Znは接合層全体に均一に分散しているのではなく,接合時間300sの段階で接合層内ではZnは0.20at%,母材近傍では1.91at%と母材のCu近傍特に,母材のCu/Cu_3Sn界面およびCu3Sn粒界に偏析していた.また,Znの偏析している部分のCu_3Sn粒は100-200皿程度と微小な結晶粒を形成していた.これは,Znが結晶粒界に偏析することでCu母材近傍のCu3Sn粒の成長が妨げられ微小な結晶粒を形成したと推測される.また,Znが接合界面に偏析することによって,Cuの拡散が阻害されCuとSnの相互拡散の均衡が成り立ち,CuとCu3Sn界面のカーケンダルボイドの生成を抑制することに成功した.
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Research Products
(5 results)