2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22656094
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
井村 順一 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (50252474)
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Keywords | 制御 / リアルタイム最適化 / モデリング / 非線形システム / 離散抽象化 / 状態推定 |
Research Abstract |
23年度は,昨年度の結果をもとに環境モデリングと最適制御の統合化を行い,最終年度として,オープン制御系の設計手法のための基礎理論を構築した.まず,1)では環境モデリングと最適制御を統合化するためには,近似による誤差と実際に達成しえる評価関数の見積もりが重要であることに着目し,非線形システムの状態空間の離散抽象化による近似によって生じる,評価関数の変動の上限・下限を理論的に見積もり,それにより,もとの問題を離散抽象化された空間での最適化問題として帰着した.これにより,複雑な環境下での最適制御問題を,離散抽象化により近似を用いることにより,近似解ではあるが,複雑な非凸領域の問題でもリアルタイムで解くことが可能になる.つぎに,複数外部環境におけるネットワーク化された系の状態を推定するための可観測性について議論した.昨年度のアンセンテッドカルマンフィルタの数値的な検討の結果,ベイズ推定に基づく環境状態推定についてはまずは複数の物体が相互作用するネットワーク系の状態推定問題が基本的であると考え,線形サブシステムが相互作用を及ぼす系の状態推定に関する一般的な枠組みについて検討した.その結果,複数の物体が相互作用により変化しつつ移動する物体の状態を一部の観測出力から推定するには,重複した状態表現を用いて,各物体自体の推定と相互作用の推定に分解して考えるアプローチが重要であることがわかった.これにより,環境の状態推定に向けた基礎の一つが構築できた.
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