2010 Fiscal Year Annual Research Report
電磁パルスによる鋼材加振に基づくコンクリート非接触衝撃弾性波法の開発
Project/Area Number |
22656100
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鎌田 敏郎 大阪大学, 工学研究科, 教授 (10224651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 慎哉 大阪大学, 工学研究科, 特任助教 (70543461)
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Keywords | 鉄筋コンクリート / 非破壊試験 / 電磁パルス法 / 凝結硬化過程 / 始発時間 / アルカリ骨材反応 / 鉄筋破断 |
Research Abstract |
本年度は,1.モルタルの凝結硬化過程の評価手法の提案を行うとともに,2.コンクリート内部の鉄筋破断の有無を評価する手法についての検討を行った。以下に得られた成果の概要をそれぞれ示す。 1.モルタルの凝結硬化過程の評価手法 モルタルを対象として,その内部に鉄筋を埋設した状態で電磁パルス法により非接触で鉄筋に衝撃を与え,これによって発生する弾性波を鉄筋に貼り付けたセンサで受信し,その波形特性の経時変化をモニタリングすることで,モルタルの凝結硬化過程の評価を試みた。また,電磁パルス法により得られた波形特性とプロクター貫入抵抗試験により推定した凝結時間との対応関係についても併せて検討した。その結果,電磁パルス法により測定した波形エネルギおよび周波数スペクトルは,モルタルの硬化の状態に応じて変化するパラメータであることがわかった。しかも,時々刻々と変化する波形エネルギの極大値および周波数スペクトルのピーク周波数に着目することにより,モルタルの始発時間を推定できる可能性があることを明らかにした。 2.コンクリート内部の鉄筋破断の有無を評価する手法 柱状の鉄筋コンクリート供試体と,別途作製した柱状の鉄筋コンクリートを促進試験によりアルカリ骨材反応による劣化を模擬した供試体を対象に,フープ筋曲げ加工部の鉄筋破断の評価への電磁パルス法の適用性についての検討を試みた。実験においては,フープ筋直上のコンクリート表面にセンサを設置した状態で,コンクリート表面側から非接触でパルス状の電磁力を入力した場合に受振される弾性波の挙動に着目し,鉄筋破断の評価を行った。その結果,劣化していない供試体およびアルカリ骨材反応による劣化を模擬した供試体のいずれの場合においても,電磁パルス法により測定した弾性波の伝搬時間に着目することで,コンクリート中のフープ筋曲げ加工部の鉄筋破断を非破壊で評価できることが明らかとなった。
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