2010 Fiscal Year Annual Research Report
超高強度コンクリートを用いた耐震ダメージフリー橋脚の開発
Project/Area Number |
22656102
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
川島 一彦 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20272677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 裕 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (10506504)
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Keywords | 防災 / 構造工学・地震工学 / 耐震 / 減災 / 自然災害 |
Research Abstract |
本研究は、帯鉄筋によりコアコンクリートを横拘束してコンクリートが最大応力となる時のひずみを大きくすることにより変形性能を向上させるという従来の考え方を捨て、塑性ヒンジ区間では、圧縮縁に超高強度コンクリートセグメントを使用することにより圧縮破壊を防止すると同時に、この中に軸方向鉄筋を埋め込み、軸方向鉄筋の局部座屈を防止することにより、変形性能の高く、大地震時にも機能を確保できるダメージフリー橋脚を開発しようとするものである。本年度には、上記コンセプトに基づく適用性の高い2種類の構造形式をファイバー要素解析により解析し、模型橋脚を製作した。いずれも中空の超高強度コンクリートセグメントを使用する構造であるが、一つは橋脚に作用するせん断力に抵抗するため、内側にRC構造を設けた構造(M1)、もう一つは超高強度コンクリートセグメントをPC鋼より線で縦締めし、セグメント間の滑りを拘束しようとする構造(M2)である。 一定軸力を作用させた状態で水平2方向に円形オービットによる繰返し載荷を行い、模型の変形性能を検討した。この結果、M1モデルの適用性が高く、6.5%ドリフトに達してもまだ残留保有耐力を維持でき、ダメージフリー橋脚と使用可能であることが明らかにされた。M2モデルも5%ドリフトまでは安定した変形性能を有しているが、それ以上になると、超高強度コンクリートを使用していても、セグメントに圧壊が生じた。これは、M2モデルではPC鋼より線で縦締めしているため、M1モデルよりも圧縮側の軸力が大きかったためである。 以上の検討から、超高強度コンクリートを外側セグメントとして使用することにより、確実に5%ドリフト以上の変形性能を有する橋脚の建設が可能となり、ダメージフリー橋脚の実現が可能であることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)
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[Presentation] Seismic Performance of Polypropylene Fiber Reinforced Cement Composite Bridge Column Based on E-Defense Shake Table Excitations2010
Author(s)
Kawashima, K., Zafra, R., Sasaki, T., Kajiwara, K., Nakayama, M.
Organizer
Proc.13th Japan Earthquake Engineering Symposium, JAEE
Place of Presentation
Tsukuba Science City, Japan
Year and Date
2010-11-17