2010 Fiscal Year Annual Research Report
風荷重を受ける樹木の根系周辺地盤の緩みの評価に基づく風倒木と斜面崩壊の関係
Project/Area Number |
22656104
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
渦岡 良介 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (40333306)
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Keywords | 地盤工学 / 防災 / 斜面安定 / 風倒木 |
Research Abstract |
台風時などによる風倒木が発生した箇所では斜面崩壊が発生する場合がある。本研究では樹木の振動を受ける根系周辺地盤の緩みを力学特性の変化と考え、模型実験および数値実験を用いて、この力学特性の変化のメカニズムと影響因子との関係を明らかにすることを目的とする。さらに、根系周辺地盤の力学特性の変化の評価に基づき斜面崩壊の発生条件を示し、風倒木と斜面崩壊の関係を明らかにすることを目的とする。 過去の台風時の斜面崩壊事例について文献調査ならびに現地調査を実施した。調査対象となる斜面崩壊事例について、気象データ、植生データ、地盤データ、風倒木データ、斜面崩壊データなどを整理した。 主に対象とした事例は平成16年連続台風,平成19年台風4号などである。徳島県内で風倒木が発生した山地において、簡易動的コーン貫入試験や採取した土試料の物理試験を実施した。簡易動的コーン貫入試験の結果、厚さ1m程度の表層地盤は軟弱であることがわかった。 平成23年度に本格的に実施予定である模型実験の予備実験を実施した。樹木1本の根系と周辺地盤を模擬し、模型地盤は円筒土槽内に作成した。地盤材料として、徳島県内の山地で採取した表層土を用いた。 樹木として、風倒木の被害が多く報告されているスギを対象とし、これも土試料を採取した山地から採取した。水平載荷装置によって繰返し荷重を載荷し樹木を振動させた。地盤挙動の計測は、土圧計、間隙水圧計、変位計、ロードセルを用い、データロガーを通じてPCに記録した。実験結果より、樹木を振動させることで、時間の経過と共に反力は減少した。土圧は振幅が増えるごとに増加し、土圧計周辺の全応力の増加に影響していることが分かった。樹木の水平振動により、水平土圧の増加、水平方向の支持力の低下が生じる可能性があることが分かった。
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