2011 Fiscal Year Annual Research Report
山地災害直後の緊急交通路を確保するための簡易防護構造の研究
Project/Area Number |
22656105
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
東畑 郁生 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20155500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内村 太郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (60292885)
山田 卓 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (70451789)
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Keywords | 斜面崩壊 / 土砂崩落 / ロックシェッド / 衝突圧 / 模型実験 / DEM数値解析 |
Research Abstract |
中越地方や四川省の山地地震災害の現場を踏査し、震災直後の救援や復興の初動においては、交通の確保が極めて重要であることを認識した。山地においては斜面が地震動によって脆弱化しており、大量の落石の危険が高い。そのような状況で道路に緊急車両を通行させるためには、簡易な形で道路を遮蔽する構造すなわちロックシェッドの簡易版が必要である。このような認識に基づき、土砂崩落が遮蔽構造に及ぼす外力の研究を実験的に行った。土砂量や崩落距離、斜面勾配などを多様に変化させて擁壁構造や遮蔽トンネル構造に衝突させ、力を測定した。測定された外力の大きさや作用位置と、崩壊土砂の諸元との間で回帰分析を行い、経験的に外力を推定する数式を得た。ただしこの測定は実験室の小型模型にのみ有効であり、実際の大型斜面崩壊への有効性は定かではない。そこでDEM数値解析プログラムを作成し、実験値の再現を行った後、大型斜面崩壊への適用を試みた。数値解析の限界は、2次元解析であることであり、実験のように衝突イベント時間全体にわたって衝突力が継続することが再現できない。他方、三次元解析は複雑なプログラムと長大な時間を要し、実用性に問題がある。両者の欠点を補う方法として2.5次元解析すなわち2次元解析の入力データを乱数的に微妙に変動させて複数解析を行い、それらの結果の平均値を最終結果とする方法を試み、実験の良好な再現を得た。この方法により、初歩的なDEM解析であっても大型斜面崩壊現象と遮蔽構造物との相互作用を解析できることが、示された。
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Research Products
(1 results)