2011 Fiscal Year Annual Research Report
ステレオカメラ画像を用いた建築物の品質記録と品質検査技術に関する研究
Project/Area Number |
22656134
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
嘉納 成男 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60112992)
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Keywords | ステレオカメラ / 品質検査 / 品質管理 / 3次元CAD / 正射投影画像 |
Research Abstract |
今年度の研究では、既存建物の寸法計測を目的として写真計測を行い、その結果を3次元スキャナー計測の結果と比較した。また、改修工事を事例とした計測実験を行い、事務所スペースの広い領域における写真計測によって、室内の3次元モデルを作成した。 既存建物の計測においては、写真計測と同時に実施した3次元スキャナー計測の結果と精度比較を行った。その結果、精度的には3次元スキャナーが±3mm程度であるのに対して、写真計測は±5mm程度の結果となった。この原因の多くは、写真計測で必要になる複数の写真から同一特徴点をマウスでその座標を習得する操作における目視誤差が原因しているとともに、目視で判断するため画面に表示する写真の画素密度にも大きく影響を受けることが分かった。これを解決する方法として、望遠レンズを広角レンズと併用して使用し、その両者の画像を利用することによって、より精度を高めることができると考えている。 改修工事の実験では、広い範囲の事務所スペースの3次元モデルを作成することを目的として実験を行った。この実験では、写真計測において使用する主要な特徴点をトータルステーションで絶対座標を取得し、写真画像を外部評定する場合のずれの誤差を最小限にする方法と用いた。この結果、写真計測から全体スペースを±5mm程度の誤差によって、3次元モデルとして作成することが出来た。なお、この3次元モデルは、面モデルとして作成することによって、撮影した写真画像を正射投影画像に変換した後に、面モデルに張り付けることによって、事務所スペースの窓や備品などを記した詳細な展開図を有する3次元モデルを容易に作成することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
従来写真計測からでは3次元モデルの作成が難しいと考えられていたが、今年度の研究成果によって、3次元モデルの作成が写真計測から十分に容易に且つ精度よく作成することが出来ることが分かった。これによって、来年度は、今年度に作成したモデル化システムの更に発展させ、既存建築物の計測・3次元モデル化を目的としたシステムへと展開したい。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、今年度の成果を踏まえて、既存建物の3次元モデル化技術の確立を目指す。
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