2010 Fiscal Year Annual Research Report
ベトナム中部カトゥ族とバナ族の伝統建築にみる建設モジュールシステムの比較調査研究
Project/Area Number |
22656135
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 広英 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (70346097)
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Keywords | ベトナム / 少民族 / 伝統建築 / 伝統技術 / 身体尺 |
Research Abstract |
本調査研究は、ベトナム中部山岳少数民族カトゥ族、及びその隣接地域に居住するバナ族の伝統木造建築に見られる独自の身体尺(建設モジュールシステム)に関する比較調査研究である。2007~9年に取り組んできたフエ省アルイ県ホンハ社のカトゥ族がもつ身体尺の調査知見に基づき、他のカトゥ族集落における継続調査実施と、新たにバナ族集落においても同様の建物実測調査、及び住民へのヒアリング調査によるフィールドワークを実施する。各々の調査では、伝統木造建築の建設時に用いられる身体尺の種類と内容、及び身体尺による寸法計画について整理するとともに、調査建物の実寸法と重ね合わせることで、身体尺の適用方法を実証的に確認する。これらの調査結果をもとに、地域風土や文化に培われた特徴的な建築様式の中に存在する木造建築技術の共通原理を考察することを目的とする。本調査研究で得られる知見は、ベトナム少数民族建築の貴重な資料となると共に、今後のアジア木造建築文化を体系的に理解していく上で貴重な情報となる。平成22年度は、ホンハ社以外のカトゥ族集落における伝統木造建築の実測調査、及び身体尺に関するヒアリング調査を補足確認調査と位置づけ、平成22年9月、平成23年3月に入村許可を得たフエ省ナムドン県ソンロー社、ソンクァン社に現存する掘立柱高床形式の伝統的集会施設を対象にフィールド調査を実施した。地域差による呼称の違いは若干あるものの、ホンハ社と同様の身体尺による単位寸法体系、及びこれらを用いた寸法計画が存在することを確認した。
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Research Products
(1 results)