2011 Fiscal Year Annual Research Report
過熱蒸気・水プラズマジェットによる「限りなく透明な導電膜」創製プロセスの構築
Project/Area Number |
22656139
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
石黒 孝 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (10183162)
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Keywords | 過熱蒸気 / 水熱反応 / 透明導電膜 / 水プラズマ / 大気圧プラズマ / 膜改質 / 水酸化物膜 / 酸化物膜 |
Research Abstract |
本研究では3年間の研究期間中に、金属をMとしてM膜→M(OH)x→MOx→透明導電膜の反応の流れを実現することで、特に"大気圧下で非平衡励起した水蒸気"を用いてドーパント元素を固溶した合金膜を気相中で水熱・酸化処理し、透明な導電膜を創製する新規プロセスの提案・実証を目的としている. 平成22年度に行った過熱蒸気、乾燥水蒸気による金属Al膜の完全な水酸化は困難で、むしろ水酸化後の膜の表面形状を維持したままγアルミナへの改質ができる事がわかった。そこで、平成23年度はさらに合金膜への適応をするために、Mgの低温水反応による膜の溶失を抑制して水酸化物膜への改質できることを確認し、またZnとAlの多層スパッタ膜を形成し水熱反応を実施し、透明化を確認した。 一方、本科研費により、高電圧電源を購入し、純粋なヘリウムガスだけのプラズマに加えて、水または酸素を添加したヘリウムガスを用いた大気圧・水プラズマ生成を実現した。プラズマ発生部は当初提案したノズル形状のものと新しい平行平板形状のものの2種類を実現し比較検討を行った。加えて大気中酸素から生成されるオゾンを排気除去できるように改善した。 金属Mg、Zn膜は水プラズマにより改質が認められた。またMgの水酸化物膜はヘリウムに酸素を混入した場合に一部改質されることがわかった。以上のことから液体の水を用いた水熱反応による金属膜改質とその後の水プラズマによる改質を使い分けることが可能であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定した通りに大気圧プラズマ装置を完成させることができ、これを用いた膜改質実験も実施できている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は本研究の最終年度である。今までの結果を踏まえて、合金膜の水熱反応と大気圧プラズマ処理を行い透明導電膜としての特性評価を行って研究をまとめる。
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Research Products
(3 results)