2011 Fiscal Year Annual Research Report
選択溶出による非平衡相ナノ合金粒子の創製とその触媒特性
Project/Area Number |
22656150
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
蔡 安邦 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (90225681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀岡 聡 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (60312823)
藤田 伸尚 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (70431468)
石川 和宏 金沢大学, 理工学域機械工学系, 准教授 (10312448)
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Keywords | リーチング / 非平衡相 / ナノ合金粒子 / 水素特性 / 触媒特性 |
Research Abstract |
本年度において、昨年度で作製されたナノ合金粒子の安定性、触媒特性および水素特性について調べた。 1)リーチングによって形成されたCu-Ir固溶体相を水素雰囲気下での600℃の熱処理をすることより、リーチングしたAl_<70>Cu_<20>Ir_<10>の固溶体の結晶構造はfcc-Cuとfcc-Irの2相に分離した。一方、リーチングしたAl_<70>Cu_<10>Ir_<20>のにはfcc-Irのみ観測された。これはリーチング処理による固溶限の拡張で説明できた。また、リーチングで調製した試料の表面ではポーラスが形成されず、Raney Cuに比べてBET表面積が小さい。メタノール水蒸気改質反応において、表面積あたりの活性はRaneyCuに比べて高くなっており、CO2選択率はIr量に応じて減少した。これらの結果からリーチングすることで、Cu-Irに強制固溶体が形成され、Cuと異なる触媒機能を示すことから、合金化の証拠として捉えられる。 2)Al-Pd-Ni系においてAl_<75>Pd_<25>からAl_<75>Ni_<25>5%ずつPd/Ni置換した合金にリーチングを施し、それぞれの水素特性とCO酸化特性を調べた。Al_<75>Pd_<25>では明瞭な水素吸蔵示すが、Niで置換したすべて試料において水素吸蔵が確認されなかった。一方、CO酸化反応において、Al_<75>Pd_<25>に比べてNiを添加した試料の触媒活性が高くなっており、特にAl_<75>Pd_<20>Ni_5をリーチングした試料では際立った高い活性を示した。これらの結果はリーチングしたAl-Pd-Ni試料には、PdNi合金ないし新しい非平衡が形成される傍証である。また、Ptにも水素吸蔵することなく、高いCO酸化活性を示すことから、リーチングしたAl-Pd-NiはPtに近い性質を示し、Pt代替の可能性を示している。
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