2012 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸塩ガラスと有機分子の反応を利用した中温プロトン伝導体の作製
Project/Area Number |
22656154
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
春日 敏宏 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30233729)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | プロトン伝導 / 燃料電池 / ハイブリッド / 有機分子 / イミダゾール / ベンゾイミダゾール / プロトンダイナミクス / ナノ粒子 |
Research Abstract |
本年度は、リン酸亜鉛ガラス/ベンゾイミダゾールハイブリッド材料(ZPG/BIm)合成における原料ガラス組成や熱処理条件が電導度や熱安定性に及ぼす影響を調べた。 プロトン伝導度を向上させるには縮合度の小さいリン酸グループを増加させ、プロトン濃度と移動度を向上させることが有効である。そのため、ガラス組成を変化させハイブリッド化反応機構の解明および、伝導度の向上へ向けた材料設計の提案をめざした。BImとガラスとの混合比を変化させたところ、混合比に応じてリン酸鎖の切断が進みオルトリン酸グループが増加し10E-4 S/cmの電導度を得ることができた。BImがリン酸鎖の切断に寄与していることが考えられる。またリン酸鎖長の異なるガラスを用いてハイブリッド材料を作製したところ、長鎖構造のガラスはBImによるリン酸鎖の切断が進みやすいのに対し、短鎖構造の場合は切断が進みにくい結果となった。長鎖構造のガラスを用いたハイブリッド材料では、180℃以下の低温域における電導特性が向上し、活性化エネルギーは80 kJ/molであった。さらにガラス中の亜鉛イオンを種々のカチオンと置換すると反応機構が変化し、ZnOをBaOと置換した際にはリン酸鎖の切断を促進し、伝導特性を向上させることができた。これらの効果により、電導度はこれまでのZPG/BImと比較して二桁程度向上し、活性化エネルギーも低減することができた。 種々の温度で生じている反応について考察したところ、150℃でリン酸鎖が切断され、170℃でリン酸グループとBImの反応物の形成が盛んとなり、220℃でさらにこの反応が促進されつつ未反応のBImが揮発することがわかった。段階的な熱処理が有効と考え、作製した試料は250℃まで重量減少は見られず、測定温度域において、アレニウス式に従う電導性を示し、230℃においてBIm単体と同程度の電導度が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(12 results)