2011 Fiscal Year Annual Research Report
可視光を利用する高密度水素貯蔵材料からの光化学的水素製造システムの構築
Project/Area Number |
22656157
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
井上 博史 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00213174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 栄次 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 助教 (80402022)
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Keywords | アンモニアボラン / 光電気化学酸化 / 脱水素 / n型シリコン / 再生可能エネルギー / 可視光 / 水素製造 |
Research Abstract |
本年度得られた結果をまとめると以下の通りである。 1.アンモニアボラン(AB)の酸化反応がPt電極上で-0.2Vvs.Ag/AgCl付近から進行したという前年度の結果に基づき、数百nmの粒径をもつPt粒子を無電解めっきにより担持したn型Siウェハ(Pt/n-Si)電極を作製し、正孔捕捉剤としてのN,N,N,N-テトラメチル-p-フェニレンジアミンを含むメタノール電解液中での光電流測定からエネルギーダイヤグラムを作成した。その結果、伝導体下端(フラットバンド電位)と価電子帯上端の電位はそれぞれ-0.25V、0.85Vvs.Ag/AgClになった。 2.ABを含むメタノール電解中、Pt/n-Si電極に可視光(λ>420nm)を照射して光電流測定を行ったところ、フラットバンド電位付近から光電流が流れることが分かり、ABが正孔捕捉剤として機能していることが明らかになった。 3.Pt/n-Si電極に-0.2~0Vvs.Ag/AgClの電位を印加しながら、可視光(λ>420nm)を照射したときに水素の生成が確認できた。また、水素生成量の経時変化を調べたところ、水素生成量は反応時間の増加とともに直線的に増大することが明らかになった。さらに、印加電位がフラットバンド電位から離れるにつれてバンドの曲りが大きくなるため、水素生成速度も増大することが明らかになった。 以上のように、Pt粒子を担持したn-Si電極を用いることにより、正孔捕捉剤としてABを使用し、可視光照射下で酸化的に水素を生成させるシステムの構築に成功した。
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