2011 Fiscal Year Annual Research Report
マグネシウムの新規表面処理法・CWDプロセスの開発
Project/Area Number |
22656159
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
原 信義 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40111257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武藤 泉 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20400278)
赤尾 昇 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80222503)
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Keywords | マグネシウム / 耐食性 / 表面処理 / ハイドロタルサイト / 乾湿繰り返し / 化学組成 / 結晶構造 |
Research Abstract |
本研究では,マグネシウムの高耐食化を実現するための新規表面処理プロセスとして,乾湿繰り返し(Cyclic Wet-Dry; CWD)プロセスを開発することを目的とする。本年度は昨年度に引き続き処理溶液の検討を行うと共に,CWD処理皮膜の耐食性の評価を行い,以下の成果を得た。 1.CWD処理溶液の検討(2) ハイドロタルサイトMg_6Al_2(OH)_<16>CO_34H_2OのAl^<3+>を種々のカチオン(X)で置換したMg_<8-x>X_x(OH)_<16>CO_3・nH_2O皮膜の作製方法を検討した。3種類の基本溶液(溶液1: NaCl-NaHCO_3-AlCl_<3'> 溶液2: Na_2SO_4- NaHCO_3-Al_2(SO_4)_<3'>および溶液3: NaNO_3-NaHCO_3-Al(NO_3)_3)に対して,XをCr,Mn,Co,Ti,Zrとするために溶液組成を変化させた。 2.CWD処理皮膜の化学組成と構造解析(2) 上記の溶液によりCWD処理することで生成した表面皮膜の厚さを光学顕微鏡およびSEM断面観察により測定した。組成はFT-IR,レーザーラマン分光法,蛍光X線分析,SEM-EDS分析により分析し,結晶構造はX線回折で同定した。また,表面および断面構造をSEMにより観察した。その結果,3価イオン(Cr^<3+>,Mn^<3+>,Co^<3+>)によってAl^<3+>を置換できることが分かった。4価金属イオン(Ti^<4+>,Zr^<4+>)はAl^<3+>の一部のみ置換できることが分かった。 3.CWD処理皮膜の耐食性の評価 ハイドロタルサイト皮膜を被覆したAZ31BおよびAZ91D合金の耐食性を水溶液中および大気腐食環境で評価し,耐食性を調べた。その結果Cr^<3+>,Ti^<4+>,Zr^<4+>によってAl^<3+>を置換することにより,ハイドロタルサイトの耐食性は改善されることが分かった。
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Research Products
(2 results)