2010 Fiscal Year Annual Research Report
レーザーテクスチュアリング法による自己複合化組織の創製
Project/Area Number |
22656167
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柴柳 敏哉 大阪大学, 接合科学研究所, 准教授 (10187411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 雅裕 大阪大学, 接合科学研究所, 講師 (90273713)
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Keywords | レーザー加熱 / アルミニウム / 硬さ / 析出組織 / 複合組織 |
Research Abstract |
本研究は、任意の局所領域を加熱する機能を有するファイバーレーザー局所加熱システムを用いて時効硬化性金属材料板に軟化領域を任意の大きさと配列で創り出し、特異な力学特性を付与する材料組織制御技術の開拓の端緒を開こうとするものである。素材の任意の位置・領域にレーザー光を照射してその領域のみ未照射領域とは異なる組織状態を創り出し、これら照射領域パターンによりあたかも衣服め織柄のような固体空間を得るという考えをここでは「レーザーテクスチュアリング」と呼ぶ。本研究では、レーザーテクスチュアリングの考え方を熱処理型合金板の組織制御に適用し、時効硬化した素材板にレーザー局所加熱処理を施して軟質領域を所定の配列でパターニングして力学特性に特異性を持たせた新素材を創り出せることを実証する。 本年度は、熱処理型合金の薄板に対してファイバーレーザー局所加熱システムを用いていくつかの照射位置パターンに従った加熱処理を施し、機械的性質の異なる領域の混在が照射位置パターンに応じた特有の力学特性を素材に付与できることを実証するための基礎実験を実施した。得られた成果は次の通りである。 供試材としてA2024-T3アルミニウム合金板を採用し、これに対するレーザー局所加熱実験を実施した。まず同材料の熱処理特性を電気炉加熱実験により調べた。その結果、500℃加熱において数秒間で硬さが半分程度まで減少する事実を確認した。すなわち、レーザー局所加熱において加熱領域の温度が500℃以上になっていればその領域のみの硬さを変化させることが実現できることが実証された。 レーザー局所加熱システムについては、プログラムに従って加熱位置を移動させる制御システムを構築し、所定の加熱処理ができることを確認した。
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Research Products
(1 results)