2010 Fiscal Year Annual Research Report
粉末積層レーザフォーミングによる次世代Ti合金の医療用デバイスへの挑戦
Project/Area Number |
22656169
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三浦 秀士 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30117254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津守 不二夫 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (10343237)
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Keywords | Ti合金粉末 / レーザフォーミング / 医療用デバイス / 粉末積層 / 緻密複雑形状 |
Research Abstract |
ダイフリーとしてのレーザによる粉末積層焼結技術(レーザフォーミング)を工業的に有用な技術とするためには,緻密化も含めた直接製品化(ネットシェイプ)ならびにオーダーメイドのものづくりへの展開が望まれる。その意味での医療用の高度複雑形状部品への適用は大いに期待が持てるものと考えている。本研究では難加工材として知られるTi系(Ti-6Al-4V及びVが生体適合性に不利であることからVをNbに換えたTi-6Al-7Nb)について,まず成形体の緻密化の向上に関する検討を粉末冶金学的見地から行い,レーザの出力,周波数,走査速度などのレーザ照射条件(含雰囲気)の最適化を行う.ついで,粉末同士の焼結に伴う収縮・変形挙動の解折による寸法精度の向上や,雰囲気制御による高性能・多機能化の組み込み,さらには生体適合性などの検討を加えることにより,申請期間内ではレーザフォーミングによる医療用デバイス創製のための智見を得るための研究を行うもので,平成22年度で得られた結果は以下の通りである. 1)各種造形条件による相対密度および引張強度との関係から,緻密化,高強度化のための造形条件の最適化を行った結果,Ti-6Al-4V造形体では相対密度84%,引張強度550MPa程度,Ti-6Al-7Nb造形体では相対密度90%,引張強度580MPa程度のものを得ることができた. 2)低出力のレーザにより軽く予備焼結を施したのち,高出力のレーザを再走査することで連続した溶融焼結部を得ることができた. 3)lライン造形体の溶融焼結部の長さや幅はCADによる設計データよりも大きくなるが,一定の傾向にあることから目標寸法に近い造形は可能であることが示唆された. 4)細孔構造体として,健常人骨と同等の強度,密度を呈する細孔径が数100μmの四角形や六角形の各種ハニカム構造体を作製することができた.
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Research Products
(2 results)