2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22656170
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 讓 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80108464)
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Keywords | 窒化物半導体 / 窒化アルミニウム / 反応媒体 / 溶融塩 / 半導体基板 / 熱化学反応 |
Research Abstract |
AlNはAlの直接窒化でも生成するが、金属表面を窒化させても結晶成長には必ずしも繋がらない。また、CVD法によって気相反応で単結晶を作製しようとしても成長速度が遅く欠陥の少ないものは得難い。更に、CVD法では大量の未反応ガスが排出される。従って、本研究では高品質の結晶を効率的に製造するためには、高密度である液体を反応媒体とすることが望ましいと考え、その候補として化学的に安定で高温に耐える溶融塩が望ましいと考えられる。溶融塩としては、Al表面に残存する膜厚は薄いが強固な酸化物を除去するためのKF-AlF_3系弗化物を用いることとした。 22年度は、温度は800℃、KF-AlF_3の共晶組成溶融塩の底に溶融AIを沈めて、窒素源を供給することとした。最初はN2を用いて実験したがAlNの生成は殆ど観測されなかった。そこでNH_3を窒素源、N_2ガスを搬送ガスとして実験を行った結果、収率は10~20%低度ではありCVD等と比較して十分に高い収率ではあったが、生成物は微結晶であり、結晶成長としては必ずしも満足とは言えなかったので、23年度は、反応面積の増加を狙って溶融塩中にAlの粉末を懸濁させ、Alの融点を挟む600~800℃で窒化実験を行なった。その結果、Alの融点以上の700~800℃では収率は80~90%まで向上した。また、Alの融点以下の600℃でも50%近い収率が得られ、固体のAlでも窒化が十分に進行することが明らかとなった。そこで、基板上への結晶成長を目的として、700℃においてSi基板をAl粉末を懸濁させて溶融塩中に浸漬させて窒化実験を行なった。その結果、基板上に棒状あるいは平板状のAlNの成長を確認した。結晶の大ききは数十μmであり、多結晶ではあったが今後の展望が開けた。
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