2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22656171
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長坂 徹也 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (30180467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松八重 一代 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 准教授 (50374997)
平木 岳人 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教 (60550069)
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Keywords | 電気炉ダスト / 亜鉛 / リサイクル / Waelz法 / エコプロセス / 磁気分離 / レアメタル / 廃棄物処理 |
Research Abstract |
申請者は、新しい電炉ダスト処理法として、石灰添加・磁気分離法を提案している。この方法は、電炉ダストに石灰を当量添加し、1000℃程度の空気中で加熱することによってダスト中の難還元性、難溶解性のジンクフェライト(ZnFe_2O_1)を酸化亜鉛(ZnO)とカルシウムフェライト(Ca2Fe_2O_5)に転化し、処理後に磁気分離操作によってZnOを回収しようというものである。本提案では、この石灰処理生成物に還元材を加えて酸化亜鉛を還元・揮発し、生成ガスから適切な温度場で液体亜鉛をデポジットさせ、十分な純度の金属亜鉛インゴットとして回収することを目指すものである。平成22年度は、石灰処理ダストから炭素還元によって液体亜鉛を回収することを試みた。実ダストを前処理なしで炭素還元すると、金属亜鉛を得ることは可能であるが、ダスト中のハロゲン、重金属類も亜鉛とともに低温部で析出し、高純度の亜鉛を得ることはできない。これに対して、石灰処理ダストを炭素還元した場合には、高純度の金属亜鉛を得ることができ、不純物濃度は分析限界以下であった。しかしながら、亜鉛を液体で凝縮させることはかなり難しく、同時に発生するCO-CO_2ガスの組成を精密に制御しつつ、抜熱速度を適切に設定すれば液体金属亜鉛を得ることはできるが、工業的な応用を考えた場合には単純冷却以外の方法を考えるべきであると結論された。そこで平成23度の研究では、還元材として金属鉄を用いることにした。熱力学的には1000℃前後で鉄は亜鉛より卑であるため、酸化亜鉛に対して還元剤として作用する。この場合、蒸気種は亜鉛ガスのみであるため、副生ガスによる亜鉛蒸気の酸化を回避することができる。電気炉メーカーは鉄源としてダライ粉と呼ばれる鉄鋼加工粉を大量に使用しているので、還元材の入手には問題ないと思われる。用いる装置類は昨年度と同一であり、炭素熱還元の実験と並行して金属鉄による還元実験を行う予定である。
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Research Products
(4 results)