2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22656171
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長坂 徹也 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30180467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松八重 一代 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50374997)
平木 岳人 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (60550069)
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Keywords | 電気炉ダス / 亜鉛 / リサイクル / Waelz法 / エコプロセス / 鉄還元 / レアメタル / 廃棄物処理 |
Research Abstract |
申請者は、新しい電炉ダスト処理法として、石灰添加・磁気分離法を提案している。この方法は、電炉ダストに石灰を当量添加し、1000℃程度の空気中で加熱することによってダスト中の難還元性、難溶解性のジンクフェライト(ZnFe_2O_4)を酸化亜鉛(ZnO)とカルシウムフェライト(Ca2Fe_2O_5)に転化し、処理後に磁気分離操作によってZnOを回収しようというものである。本提案では、この石灰処理生成物に還元材を加えて酸化亜鉛を還元・揮発し、生成ガスから適切な温度場で液体亜鉛をデポジットさせ、十分な純度の金属亜鉛インゴットとして回収することを目指すものである。平成23年度は、石灰処理ダストから還元によって生成した金属亜鉛蒸気の再酸化を防ぐために、金属鉄を用いた還元実験を行った。金属鉄源としては、電解鉄粉および現場操業を想定して、ダライ粉(鉄鋼切削屑)を用いた。その結果、金属鉄による還元は迅速に進行し、高純度の亜鉛金属を回収できることを示した。事前の石灰処理によって、ダスト中の揮発成分はほぼ全量が除去されるので、ダストをそのまま還元した場合には亜鉛に大量のハロゲン類が共析するのに対し、石灰処理ダストからの回収亜鉛は極めて高純度であった。ダライ粉を用いた場合でも、接触面積の低下から還元効率は落ちるものの、化学量論的配合値から3割程度の増量で、亜鉛を全量還元回収することが出来た。液体亜鉛の回収には未だ成功していないが、炭素熱還元の場合に比べて亜鉛の再酸化が起こらないため、抜熱速度を適切に設走すれば液体金属亜鉛として回収できるものと思われる。また、電炉メーカーの協力を得て、より亜鉛品位が高く、鉄濃度が低いダストの生成実験を行い、このダストからの高効率亜鉛回収を行うことが出来た。これらの成果は、本年5月に米国で開催される鉄鋼国際会議で発表する。
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Research Products
(6 results)