2010 Fiscal Year Annual Research Report
流脈線ローブのダイナミクスに基づく3次元流体混合機構の解明
Project/Area Number |
22656176
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井上 義朗 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (30093371)
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Keywords | 流体混合 / 混合機構 / 流脈線ローブ / 鋳型 / 写像 / 可視化 |
Research Abstract |
1.研究の目的および意義 撹拌槽内の混合機構を明らかにすることは,混合操作の改善や新しい撹拌装置の開発にとって不可欠である.しかし,撹拌槽内の流れは3次元かつ非定常であるため,その普遍的な3次元構造を捉えることは極めて困難とされてきた.そこで,撹拌翼の先端から伸びる流脈線が混合過程において鋳型の役割を果たすと考え,その実験的検証とそれに基づく混合モデルの構築を行った. 2.研究成果 (1)パドル翼の先端から伸びる流脈線を蛍光レーザー発色させ,その形状の時間変化を超高感度ビデオカメラで撮影した.それにより,羽根通過周期ごとに観測する限りその形状が時間的に不変であり,また脱色混合実験の映像と比較して,この流脈線に沿って混合パターンが形成されることを実験的に明らかにした. (2)簡易流動モデルを用いた数値解析より,混合パターンの輪郭は,時間が経過するにつれて翼先端から伸びる流脈線の形状に漸近することを明らかにした (3)以上の結果より,翼先端から伸びる流脈線が混合パターン形成の鋳型となっていることを,実験および数値シミュレーションの両面から明らかにした. (4)これらの研究成果を踏まえて,従来とは全く異なる視点から,流脈線ローブを元にした,撹拌槽内の層流混合に対する新しいモデルを構築した.
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