2010 Fiscal Year Annual Research Report
シリカの触媒機能発現機構の解明とその触媒反応への展開
Project/Area Number |
22656185
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 庸裕 京都大学, 工学研究科, 教授 (70201621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宍戸 哲也 京都大学, 工学研究科, 准教授 (80294536)
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Keywords | シリカ / 光触媒 / 固体酸触媒 / 水酸基 / その場観察 |
Research Abstract |
本年度は,シリカ表面において固体酸性が発現する場合の具備すべき要素の検討,およびメソポーラスシリカ表面のシラノール基を介してリンカー部位を持たない剛直な有機配位子を固定化することによる均一な細孔径を有する塩基性メソ細孔空間の構築について検討を行った。まず,合成に用いるテンプレートのアルキル鎖長を変えることによって,細孔径が連続的に異なるメソポーラスシリカFSMを合成した.合成したFSMの1-butene異性化反応,2-butanol分解反応に対する活性は細孔径2.8~3.0nmを頂点とする山型の相関を示し,活性の発現には適切な大きさの規則的な細孔構造の形成が必須であることを明らかとした.種々のキャラクタリゼーションの結果から細孔径によって酸量および酸強度のいずれも変化することが明らかとなった.次に細孔径の異なるメソポーラスシリカFSMに剛直でリンカー部位を持たないピリジル基を修飾し,均一かつ連続的に細孔径を制御した塩基性反応空間を構築した.ピリジル基修飾前後の構造変化は,細孔を円柱型に近似することで説明でき,ピリジル基が擬似的な細孔壁を形成することが可能であることが示された.構築した塩基性メソ細孔空間は,アルドール縮合タイプの反応を触媒し,また通常のシリカ表面が有する酸性シラノール基がほとんど反応に寄与しないことおよび均一なメソ細孔空間による形状選択性の発現によって逐次的な縮合反応が抑制された結果,特異な選択性を示すことを明らかとした.さらにピリジル基を塩基性配位子として利用し銅錯体を固定化すると立体選択的なフェノール類の重合反応が進行することを明らかとした
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Research Products
(3 results)