2011 Fiscal Year Annual Research Report
シリカの触媒機能発現機構の解明とその触媒反応への展開
Project/Area Number |
22656185
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 庸裕 京都大学, 工学研究科, 教授 (70201621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宍戸 哲也 京都大学, 工学研究科, 准教授 (80294536)
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Keywords | シリカ / 光触媒 / 固体酸触媒 / 水酸基 / その場観察 |
Research Abstract |
本年度は,規則的なメソ細孔を有するメソポーラスシリカFSM-16に対して高温でアンモニア処理を行うことにより均一かつ規則的な細孔を有する塩基性反応空間の構築し,その塩基点の性質を検討した. 我々は,FSM-16合成の際に,界面活性剤を有した状態でアンモニア処理を行った.アンモニア処理を行うことで骨格内に窒素が主に架橋したアミノ基の形(Si-NH-Si)で導入された.その他、一部孤立したアミノ基(Si-NH2)の存在が確認されたが、その量は非常に小さかった.アンモニア処理を行わないFSM-16は,Knoevenagel反応に対して活性を示さないのに対して,アンモニア処理を行ったFSM-16は,活性を示した.この結果から導入されたアミノ基は,Knoevenagel反応の活性サイトとして機能したことから塩基性が発現することが明らかとなった.導入された窒素の量は,アンモニア処理の温度に依存し,アンモニア処理の温度の増加に伴い増加した.一方,アンモニア処理温度の増加に伴いメソ細孔構造の一部が崩壊した.結果的に表面に導入された塩基性を有するアミノ基の量は,アンモニア処理温度1073 Kで最大となった.また,導入されたアミノ基の塩基強度を検討するために基質のpKaを変化させ反応を行ったところ,pKa=13.1から16.4の基質に対して活性を示したことから,導入された塩基強度は比較的弱いことが分かった.さらにアセトンのAldol反応や1-ブテン異性化に対する活性が小さいことも,導入されたアミノ基の塩基強度が比較的弱いことを支持した.
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Research Products
(5 results)