2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22656187
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
福田 淳二 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (80431675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 博章 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (20282337)
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Keywords | 自己組織化単分子膜 / 透明電極 / バイオ関連機器 / 細胞チップ / マイクロアレイ |
Research Abstract |
本研究では、マイクロ電極アレイを利用して顕微鏡観察下で任意の単一細胞を非侵襲的に脱離させる技術を確立する。これにより、細胞集団の中から特定の細胞を単離することや、不要な細胞を培養系から除去可能となり、細胞培養を利用する幅広い分野の方法論を革新することができる。マイクロ電極アレイ上の細胞が顕微鏡下で鮮明に観察できるように、透明電極(ITO電極)を利用した。まず、ITO電極上にアルカンチオール分子の自己組織化単分子膜が形成可能かどうか評価するため、ITO電極をアルカンチオール分子のエタノール溶液中に浸漬し、表面を洗浄後に表面に電位を印加し流れる電流を計測した。その結果、自己組織化単分子膜の還元脱離に伴う電流が観測され、ITO電極表面にチオールを介した結合が生じること、および-1.0V(vs.Ag/AgCl)程度の電位印加で脱離可能であることが分かった。次に、アルカンチオール分子を修飾したITO電極上に線維芽細胞を接着させ、この分子の還元脱離に伴って細胞を脱離可能かどうか評価した。その結果、細胞は5分以内にほぼすべて脱離することが分かった。最後に、ITO電極のウェットエッティング技術を確立し、電極間距離50μmのアレイを作製した。そして、電極アレイを利用することで、シングル細胞スケールの空間分解能で、任意のタイミングで任意の位置の細胞を脱離可能であることを示した。この技術は、特定の細胞を顕微鏡下で回収または培養系から排除するのに有用である。
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