2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22656195
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
豊田 和弘 九州工業大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (10361411)
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Keywords | スペースデブリ / プラズマ / 除去技術 |
Research Abstract |
現在有人宇宙活動が行われている低地球軌道では年々スペースデブリが増え、宇宙機への衝突事故が起こっている。また宇宙機もデブリも毎秒8km程度で軌道周回するため平均衝突速度は毎秒10kmとなり、数ミリクラスのデブリでも人工衛星に大きな被害を与える。本研究では数ミリ以下の小さなデブリを除去する方法を提案し、実験的に検証することを目的としている。 低地球軌道ではプラズマが存在しており、宇宙機の帯電を引き起こす厳しい環境となっているが、それを逆にデブリ除去に利用する。宇宙に浮かべた電極に正電圧を印加すると電子が引き寄せられる。ここにデブリが飛んでくると、引き寄せられて加速された電子によりデブリは負に帯電する。負に帯電したデブリが電極を通過したあとは電界によって電極方向へ引き寄せられ減速する。これによりデブリは減速し高度を落とすことになる。 これまでに真空チャンバ内の圧力が高い場合には、網電極に印加する電圧を上げていくと異常電流収集が発生することが確認されていた。そのため、本年度は新たに真空ポンプを追加し、チャンバ内圧力を下げて実験を行った。以前には150V程度が異常電流収集の発生閾値であったが、本年度は350V程度まで電圧を印加しても異常電流収集は発生しないことを確認した。 また、直径の大きな粒を落下させることで視覚的に粒の移動を観察する事ができるようになり、網電極近傍でデブリの帯電を確認する事ができた。 また半導体スイッチを用いることにより、パルス状の高電圧を印加することも可能となった。
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