2011 Fiscal Year Annual Research Report
衛星の高精度姿勢制御を可能にするレーザーマイクロスラスタの実験研究
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22656196
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
船木 一幸 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所・宇宙飛翔工学研究系, 准教授 (50311171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀澤 秀之 東海大学, 工学部, 教授 (30256169)
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Keywords | 航空宇宙工学 / 推進・エンジン / レーザー / マイクロスラスタ |
Research Abstract |
1~20Wの低パワ連続(CW)レーザー光を固体ターゲット(推進剤)に定常的に照射しながら推力を得る、100μNクラス小型レーザー推進機の実験研究を実施した。本研究では、過去に数多く研究されてきたレーザーアブレーションスラスタ(金属などの固体ターゲットに短時間パルスレーザーを照射してジェットを生成するタイプ)とは異なり、定常レーザーを箔状の固体ターゲットに照射してジェットを得る、新しいタイプの推進機の特性を明らかにした。平成23年度は、前年度構築した小型レーザースラスタ試験システムを用いて、小型レーザースラスタの推力特性を計測し、また、推力発生メカニズムの解明を行った。小型レーザースラスタは、レーザーパワにほぼ線形に比例した推力特性(約1μN/W)を示し、その推力は試験を実施した真空チャンバ内の真空度にも依存する事が判明した。本レーザースラスタによる推力発生メカニズムとしては、当初は推進剤ターゲット表面に高強度レーザーが導入されることによってターゲット材が蒸発することを想定していたが、ターゲットからの固体粒子の放出は観測されなかった。スラスタ動作時(レーザー照射時)のプラズマ観測も実施したが、プラズマの存在は確認できなかった。その一方、レーザー固体推進剤ターゲットを熱的に絶縁して配置した際に最も大きな値を示した事から、レーザー光入射時に固体ターゲットの温度が上昇し、ターゲット周囲の低圧力ガスをまきこむことで希薄域のジェットが生成されて推力が発生すると結論づけた。
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[Presentation] Experimental Investigation on CW Laser Microthruster2011
Author(s)
Yonamine, H., Hagiwara, K., Horisawa, H., Oshio, Y., Satou, H., Funaki, I.
Organizer
32nd International Electric Propulsion Conference, IEPC-2011-320
Place of Presentation
ヴィースバーデン(ドイツ)
Year and Date
20110911-20110915
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[Presentation] 微小推力測定システムの開発2011
Author(s)
萩原啓司, 與那嶺仁, 大塩裕也, 佐藤博紀, 堀澤秀之, 船木一幸
Organizer
社団法人日本航空宇宙学会第42期年会講演会
Place of Presentation
東京大学山上会館(東京都)
Year and Date
20110414-20110415