2012 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫の骨格構造表面を模擬した土粒子非付着性材料の開発と重機への応用に関する研究
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22656201
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 弘 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (90188045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 秀輝 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (10396468)
須藤 祐子 東北大学, 環境科学研究科, 助教 (70344687)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ネイチャー・テクノロジー / 非付着性材料 / 骨格構造表面 / 接触角 / 付着力 / とがり度 |
Research Abstract |
本研究では,昆虫表皮の持つ表面特性を応用することで,固体表面の表面形状を土の付着しにくい構造に改良することを目的とし,昆虫表皮と土の付着特性を実験的に検討した.実験サンプルとして主に土の中に生息している昆虫および生物を選定し,顕微鏡で表面観察を行った.その結果,二つの共通する構造を確認した.具体的には,カブトムシ,ゲンゴロウ,タガメは羽の表面に共通するくぼみ構造を持ち,タニシとオオタニシからは一方向の縞模様を有することが分かった.次に,材料表面のぬれ性を評価するために接触角測定を行った.その結果,くぼみ構造を有するものは疎水性表面を,縞模様を有するものは親水性表面を示した.さらに,粗さ測定を行って表面粗さパラメータを算出し,表面粗さパラメータと接触角との関係を考察したが,付着しにくい表面構造を構成するための明確な関係を見出すことはできなかった.さらに,表皮の付着実験を行った.粘性土と表皮が確実に接着させるため,湾曲のできるだけ少ない羽の部分を対象に付着量を測定した.その結果,全サンプルにおいて土の含水比が増えると付着量も増大した.さらに,表面粗さと付着量との関係を検討したところ,粗さの高さ方向の特徴平均パラメータである「とがり」が増えると付着量も増加するという強い線形関係が得られた.ゆえに,「とがり」は土が付着しにくい表面形状を構成するパラメータのひとつとなり得る可能性があることが確認された. 一方,昆虫表皮だけではなく昨年度と同様,金属材料(SUS420J2)と粘性土との付着特性も実験的に検討した.具体的には供試体の作製方法を改良し,金属材料と粘性土との圧着強度を変えて,土の凝集力と金属材料に対する土の付着率を測定した.その結果,圧着強度が増えるにつれて,土の凝集力は増えるものの,付着率は低くなる,つまり土が付きにくくなることが確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)