2010 Fiscal Year Annual Research Report
海洋性微細藻類及び貝類をバイオリアクターとした無機ヒ素含有廃水処理および無害化
Project/Area Number |
22656205
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
所 千晴 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (90386615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沼子 千弥 徳島大学, 大学院・ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス, 准教授 (80284280)
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Keywords | 環境保全技術 / 環境修復技術 / リサイクル技術 / 廃棄物発生抑制 / 再資源化 / 有価物回収 |
Research Abstract |
年間79000トンが廃棄されている宮城県産の廃棄真昆布を用いて、ヒ素の除去および無害化に関する可能性を調査した。初期濃度1.0mg/LのAs(V)溶液に50gの生昆布を投入し、120時間の静置後、溶液中のAs(V)濃度を測定したところ、純水中ではAs(V)濃度はほとんど変化しなかったのに対し、海水中では0.3mg/Lまで減少した。この時、実験開始後24時間では、逆にAs(V)濃度は0.2mg/L程度増加しており、真昆布は、体内から一旦ヒ素を溶出してから再び取り込む性質があることが確認された。比較試験として、粉末状にした真昆布を用いて同様の試験を行ったところ、溶液中のヒ素は0.2mg/L増加しており、同時に、Ca、K、Mg、Naも溶出することがわかった。したがって、真昆布は生存している状態でなければヒ素を取り込まず、死亡時には逆にヒ素を含む種々の成分を溶出させることがわかった。 真昆布に対して、KEK-PFにおいてAs K端のXANES測定を行ったところ、試験前の昆布からは有機ヒ素のピークが確認されたが、ヒ素の無害な形態として知られるアルセノベタインのピークとは異なっていた。また、試験後はNa2HAsO4・7H2Oと同様のピークが確認された。このことから、真昆布は成長過程にヒ素を取り込み、有機ヒ素として体内に蓄積する機能があるが、廃昆布では既に死亡の状態であることから、その取り込み機能は低下しており、取り込んだとしても有機ヒ素の形態で取り込むのは困難であることがわかった。 廃昆布をさらに有効に活用する方法として、昆布中のアルギン酸からアルギン酸カルシウムビーズを作成し、種々の重金属回収の吸着剤として用いる実験を行った。この吸着剤を用いることで、Al、Fe、Mn、Ni、Co、Zn、Pbなどといった金属が溶液中から回収できることがわかった。
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Research Products
(2 results)