2011 Fiscal Year Annual Research Report
海洋性微細藻類及び貝類をバイオリアクターとした無機ヒ素含有廃水処理および無害化
Project/Area Number |
22656205
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
所 千晴 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (90386615)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沼子 千弥 徳島大学, 大学院・ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス, 准教授 (80284280)
|
Keywords | 環境保全技術 / 環境修復技術 / リサイクル技術 / 廃棄物発生抑制 / 再資源化 / 有価物回収 |
Research Abstract |
環境中に一般的に存在する代表的なヒ素の形態であるヒ酸As(V)を対象として、海洋性微細藻類をバイオ入りアクターとした回収および無害化を試みた。 初めに、ヒ酸に対する藻類の耐性を系統的に評価した。As(V)を10ppm含有させた純水および模擬海水中にて藻類を共存させたところ、純水中では、24時間後に藻類の壊死が確認されたが、模擬海水中では24時間後に溶液中のヒ素が2割程度減少したのち、海藻の壊死の確認と共に溶液中のヒ素濃度は逆に増加した。このことから、少なくとも純水下での藻類によるヒ素の除去は困難であること、藻類はヒ素を吸収するものの、壊死と共に吸収したヒ素を再び放出することがわかった。 ヒ素を取り込んだ藻類を凍結乾燥し、高エネルギー加速器研究機構PFのビームライン12Cにてヒ素のK端よりその形態分析を行ったところ、アルセノベタインにピークが類似しているものの厳密には一致しないXANESスペクトルが得られた。 このことから、藻類中のヒ素は、アルセノベタインに類似した有機ヒ素体で吸収されているものと予測された。 一方、国内外で問題となっている酸性坑廃水を用いて同様の試験を行ったところ、同様に藻類の壊死が確認されたが、溶液中のヒ素濃度は排水基準値の0.1ppm以下に減少していた。この理由を詳しく解明したところ、酸性坑廃水の処理と共に生成した水酸化第二鉄にヒ素が共沈し、その水酸化第二鉄が藻類に吸着したためであることがわかった。また、酸性下では、藻類から生成したアルギン酸が陽イオン交換能を有することから、種々の有害元素の選択的な処理が可能であることも確認された。
|
Research Products
(2 results)