2010 Fiscal Year Annual Research Report
超音波照射下の油中放電を利用した高速バイオディーゼル燃料合成プロセスの開発
Project/Area Number |
22656214
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
関口 秀俊 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50226643)
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Keywords | バイオディーゼル / 超音波照射 / 固体触媒 / 混合 / 放電 |
Research Abstract |
この研究では、非食用植物油のエステル交換反応によるバイオディーゼル燃料製造プロセスにおいて液中放電と超音波場を相乗させるという全く新しい反応場を導入し、高速・高効率で廃棄物の少ないバイオディーゼル製造プロセスの開発を試みるものである。研究の初年度である22年度は、放電の効果を最大限に活かすことを考え、まず超音波場におけるエステル交換反応の特性を把握することを行った。植物油にはトリオレインを用い、バッチ反応器でメタノールとエステル交換反応を行った。触媒にはアルカリ固体触媒である酸化カルシウムを用いた。生成物は遠心分離器で固液分離した後、液体クロマトグラフで分析した。実験の結果、通常の撹拌による反応と比較して、超音波の効果が特に反応初期に顕著に観察され、超音波照射の効果が示された。これは、反応初期では通常、熱力学的にはメタノール相とトリオレイン相が分離するが安定であるが、これを超音波の混合作用が妨げるためと推測された。一方、反応中期では反応速度は撹拌の場合とそれほど違いはなく、このことから反応初期に間欠的に超音波照射することがふさわしいと考えられた。また、メタノールとトリオレインの比の最適値が存在すること、超音波ホーンの位置、出力、さらに触媒の細孔径分布も収率に影響を与えることが明らかになった。これらの超音波照射の結果を踏まえて、電極を超音波実験装置に導入した新しい装置を作成し、23年度にこれを用いて液中放電と超音波場の相乗効果を検討する。
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