2010 Fiscal Year Annual Research Report
人工光合成型光励起を基盤とする新規な太陽電池の創出
Project/Area Number |
22656217
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石原 達己 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80184555)
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Keywords | 太陽電池 / 無機-有機半導体 / 二重励起 / ZnO / フタロシアニン |
Research Abstract |
本研究では光合成に類似した2段の励起で、光起電力を生じる新しい無機-有機材料の接合を利用した人工光合成型太陽光電池の開発を行うことを目的とする。従来の太陽電池と異なり、本研究では無機半導体と有機色素間での電子授受を利用して、大きな起電力の発生が可能なZスキーム型の光起電力の発生と電力の発生を行なう。 種々の無機半導体の光起電力を検討したところ、ZnO電極において最も大きな光起電力の発生を確認した。とくに、電解析出したZnOを核として水熱合成法で調製したZnO電極はキセノンランプに対して0.5V程度の大きな起電力を示した。そこで、無機電極としてはZnO水熱合成電極が最も優れた性能を示すことがわかった。 ZnO電極に組み合わせる色素について種々の検討を行ったところフタロシアニンCuなどの環状婦ルフィリンが良好な電極特性を発現することを見出した。そこで、真空蒸着法で作成したCuポルフィリンが検討した色素中では最も優れた光起電力をしました。最適化した電極を組み合わせたセルを組み立て、光電変換特性を検討した。その結果、起電力としては0.6V程度の起電力を得たものの、電流としては100μA/cm^2程度しか達成できなかった。内部抵抗を測定したところ、色素電極の光電流が少ないことから、色素電極の性能が十分ではなかった。一方、支持塩として用いているNa_2S-Na_2S_2O_3濃度の影響をさらに詳細に検討したところ、濃度が小さいと開回路起電力は0.8V程度と大きくなることがわかった。そこで、支持塩濃度を最適化についても検討し、1M Na_2S_2O_3/0.1M Na_2Sのとき、短絡電流は最も大きくなることを見出した。本研究で、広い範囲ので光で電力を発生できるセルを開発できたが、内部抵抗がまだ大きく、電力としては十分大きくならなかった。
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Research Products
(2 results)