2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22657016
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
和田 正三 九州大学, 大学院・理学研究院, 特任教授 (60011681)
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Keywords | DNAi / シダ / 前葉体 / サイレンシング / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
RNA干渉(RNAi)による逆遺伝学的な遺伝子機能の解析は、ゲノム配列やEST情報を効果的に利用する重要な技術である。ホウライシダではDNA断片による遺伝子のサイレンジンク、DNA干渉(DNAi)が可能であることを我々は発見した。赤色光で誘導される葉緑体光定位運動や光屈性に関わる光受容体の遺伝子NEO1の場合は遺伝子のサイレンジンクでは例外的にDNAi効果が次世代まで引き継がれる。昨年度の実験の結果、DNAiにより世代を超えてサイレンシングされたNEO1遺伝子では、NEO1遺伝子付近のヒストンH3サブユニットの9番目のリジンの脱アセチル化と、DNAのメチル化が起こっていることが分り、DNAiによるサイレンシング効果はヒストンの脱アセチル化によって引き起こされ、次世代に伝わっていることが示された。今年度はNEO1 promoter部分でもDNAのメチル化か起こっていることが明らかになった。さらにDNAiの応用範囲を広げるため、シダ植物では系統的に初期段階にあるカニクサにおいて、葉緑体逃避運動の光受容体遺伝子PHOT2、精子形成に関与するCENTRINおよびジベレリン受容体GAI各遺伝子のDNAiによるサイレンシング効果を調べた。その結果、葉緑体逃避運動および造精器の形成抑制が見られ、カニクサにおいてもDNAiが効率良く作用することが明らかになった。シダの世代を回すには年月を要するため、これらの遺伝子が世代を超えてサイレンシング効果が維持されるかは今後の課題である。
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Research Products
(1 results)