2011 Fiscal Year Annual Research Report
Planer cell polarity研究のための実験系確立の試み
Project/Area Number |
22657019
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
峰雪 芳宣 兵庫県立大学, 大学院・生命理学研究科, 教授 (30219703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 大輔 兵庫県立大学, 大学院・生命理学研究科, 准教授 (40220222)
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Keywords | 植物 / 発生・分化 / 細胞・組織 / 形態形成 / PCP / コレオケーテ |
Research Abstract |
ボディープランを考える上で進化的に興味深い位置にある車軸藻類のコレオケーテ(Coleochaete scutata)は、細胞が1層に並んだ円盤状の単純な形をしており、細胞シート形成のモデル系になりうる実験材料である。このコレオケーテをplaner cell polarity研究の新しい実験系として確立することを本研究の目的としている。昨年度、顕微鏡下で長時間の撮影を試み、倒立顕微鏡での微分干渉光学系を使った数週間の観察を可能にした。また、経時的に3Dで細胞壁と葉緑体の位置を解析する目的で、蛍光プローブで細胞壁を染色し、スペクトルイメージングを使用して、細胞壁の蛍光と葉緑体の蛍光を明確に識別できる方法を確立した。今年度は細胞骨格系の解析ができる方法を試みた。細胞骨格の阻害剤の実験などから、コレオケーテの円盤状の形づくりには細胞骨格が重要な働きをしていると考えられた。高等植物では、間期に見られる細胞表層を平行に走る微小管が細胞の伸長方向の制御に重要と考えられているが、すでに報告のあるコレオケーテの微小管分布の論文や我々の微小管観察から、コレオケーテは本当に表層に並行に走る微小管が存在するかどうか問題が出て来た。そこで、間接蛍光抗体法の固定から染色までの各ステップの再検証と、微小管安定化剤タキソール存在下での固定などを検討した。その結果、間期の細胞でも、微小管は細胞質に多く存在し、いわゆる高等植物の表層微小管は存在しないことが分かった。そこで、パーティクルガンを使ってコレオケーテにGFP遺伝子の導入を試みた。現在まだ微小管やアクチンをライブイメージングで観察できる株の確立まで至っていないが、本研究を継続することで、細胞骨格を観察できる株の確立は期待できると考えている。
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Research Products
(3 results)