2010 Fiscal Year Annual Research Report
GM2型脂質ラフトの可視化と構成タンパク質の同定及び新規機能の解明
Project/Area Number |
22657029
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
広瀬 茂久 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (10134199)
|
Keywords | ガングリオシド / GM2 / 脂質ラフト / GOTO細胞 / モノクローナル抗体 / フロチリン / エンドサイトーシス / 神経芽腫 |
Research Abstract |
これまでの研究で,特定のがん細胞とのみ特異的に反応するモノクローナル抗体の作製に成功し,それが糖脂質のGM2を認識していることを明らかにした。この抗体で,神経芽腫の一種であるGOTO細胞を染色したところ,細胞表面が斑点上に染色され,しかも脂質ラフトのマーカータンパク質と考えられているFlotillinと染色像が重なった。世界で初めて脂質ラフトの可視化に成功した可能性が高いので,そのことを証明するべく細胞生物学的な研究を行い以下の成果を得た。(1)GM2型脂質ラフトの可視化と生細胞膜上での動態の解明:マウス腹水から回収した抗GM2モノクローナル抗体をAlexa Fluor 555で蛍光標識し,培養神経芽腫細胞(GOTO細胞)を用いてラフトを可視化することに成功した。共焦点蛍光顕微鏡で問題のラフトのエンドサイトーシス過程を追跡することにも成功した。(2)Flotillinの標識とラフトへの集積過程の追跡:Flotillinは細胞内タンパク質であるが,脂質修飾により細胞膜の内側に結合することが知られている。このFlotillinをGFP(Green Fluorescent Protein)との融合タンパク質としてGOTO細胞に発現させることにより,Flotillin-GFPがラフトに集積する過程を可視化することに成功した。さらに,GM2抗体-Alexa Fluor 555とFlotillin-GFPで二重標識し,染色像の多くが重なることより,これまで推定されていたFlotillinが脂質ラフトの裏打ちタンパク質であることを実験的に初めて示すことができた。
|
Research Products
(3 results)