2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22657040
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田端 和仁 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (50403001)
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Keywords | 合成生物学 / ゲノム / 次世代シークエンサー / リポソーム |
Research Abstract |
本研究の目的は、バクテリアのゲノムを入れ替えることを目的とした技術開発である。具体的には、ゲノムを破壊したバクテリアプロトプラストを調製し、そこへリポソームに封入した別のゲノムを加え、融合させることで交換を行う。本年度は、ゲノム破壊したバクテリアプロトプラストの調製法を最適化し、簡単に得ることができる方法を確立した。また、ゲノムを破壊したバクテリアプロトプラストと、破壊していないバクテリアの融合によって、ゲノム入れ替えを試みた。結果、いくつかコロニーが得られる条件を見いだすことができた。現在得られたコロニーの解析を行っている。最終的には次世代シークエンサーによる全ゲノムシークエンスを行いゲノムの入れ替えが起こっているのか、もしくはキメラゲノムを形成しているのかなどを明らかにしていく。しかしながら、合成されたゲノムにこの方法は適用できないため、リポソームへのゲノム封入の検討を進めていく。現在は、無傷のゲノムを調製する手法を検討しており、これが完了後に、界面通過法によってゲノムをリポソーム内に封入することを試みる。この技術が確立すれば、自らデザインしたゲノムを合成し、それをバクテリア内部に戻すことで望む機能を持ったバクテリアを自在に生み出すことができるようになる。これによって、様々な諸問題(エネルギーや、温室効果ガス、レアメタル回収など)において、バクテリアを培養することで解決できるようになるかもしれない。
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