2010 Fiscal Year Annual Research Report
相同的組み換え蛋白質を用いた新しい核内ゲノムマッピング法の開発
Project/Area Number |
22657044
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
前島 一博 国立遺伝学研究所, 構造遺伝学研究センター, 教授 (00392118)
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Keywords | 核酸 / ゲノム / 生体分子 |
Research Abstract |
核内におけるゲノムDNAの配置が遺伝子め転写に関わることが示唆されており、近年、核内でゲノムを3次元的にマッピングする技法の需要が高まってきている。核内でのゲノムのマッピングする技術は現在のところfluorescence in situ hybridization (FISH)によるところが大きいが、FISHでは核に対して塩酸処理、プロテアーゼ処理などの多くのプロセスを要することから正確な核内の立体構造を保持できているかということが懸念される。そこで、なるべく生細胞に近い条件で核内のゲノムをマッピングする手法を開発することが本研究の目的である。 申請者は大腸菌の相同的組み換え蛋白質、RecAが一本鎖DNAにフィラメント状に結合し相同DNAと正確に結合する性質を有していることを利用し、検出したいゲノム配列のプローブを蛍光色素Cy3でラベルし、組み換え蛋白質との複合体を形成させることにより核内ゲノムのマッピングできるかどうかを検討した。プローブにはFISHで一般的に用いられているテロメアリピート配列を用いた。 ヒト子宮頸部癌細胞(HeLa細胞)をカバーガラス上で培養し、1%ホルムアルデヒド固定、0.5% Triton X-100による透過処理の後、作製したRecA-プローブ複合体存在下で37℃で10分間インキュベートすることによりプローブのテロメアへのハイブリダイゼーションを試みた。しかしながら、この手法では核内で数個の明るい輝点が検出されたもののバックグラウンドが高くテロメアシグナルの認識が困難であった。 現在、相同性組み換え蛋白質を大腸菌由来のRecAからアフリカツメガエル由来のRad51に変更することでプローブのゲノムDANへのターゲッティング効率を向上させることでテロメアシグナルの検出を改善できるかどうかを検証している段階である。
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Research Products
(8 results)