2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22657059
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
イン ベイウェン 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 特任准教授(常勤) (90422401)
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Keywords | 発生 / 分化 / 進化 / 発現制御 / 大腸菌 / 遺伝子 / 細胞間相互作用 / 微生物 |
Research Abstract |
細胞分化は、一様な遺伝型を持つ細胞が多様な表現型を示す細胞への転換である。そのプロセスにおいては、個々の細胞の表現型は比較的少数の誘導分子によって遺伝的に制御されているため、その変化、つまり分化は確率的である。本研究は、分化能をもたない大腸菌に確率的な表現型の変化と細胞間相互作用の基本ステップだけを含んだ実験系を構築し、定量的に細胞間相互作用の効果を明らかにすることを目的とする。 H22年度では、確率的な分化現象を創出するための遺伝子発現制御のPositive Feedback系をゲノム上に組み込んで、記憶を持つ大腸菌細胞の構築に成功した。LacIとTetRからなる二重フィードバック回路を大腸菌ゲノム上に構築し、表現型の多様性を作り出し、個々の細胞の確率な表現型の変化を達成した。H23年度は、構築した大腸菌株の栄養要求性と細胞間相互作用を確認することができた。 栄養要求性に関しては、誘導剤濃度によって、自ら作りだされる栄養が細胞増殖に寄与することを検証した。特に、二重安定性を保つ誘導環境下、発現量と増殖速度の相関が確認された。次に、大腸菌生存に必要な二種類の栄養素によって相互作用を定量化した。恒常性をもつ分化集団を形成させるのに、アミノ酸栄養要求性を相互作用として用いる。アミノ酸合成に関わる遺伝子(leuB,ilvE)を本来のオペロンから二重フィードバック回路に組み込み、ゲノム再編されている(昨年度成果)。この構築を持つ大腸菌細胞の栄養要求性の表現型が確率的に変化を経時的に観測しながら、栄養を通した細胞増殖の変化により、細胞間相互作用を評価した。二種類の細胞集団がある割合で安定し、機能的に分化した細胞が共存することが可能かどうかを検証し、細胞間相互作用を用いた分化モデルの構築に成功した。
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