2010 Fiscal Year Annual Research Report
多数の核ゲノムコード遺伝子座を標的にした分子系統解析の試み
Project/Area Number |
22657060
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
熊澤 慶伯 名古屋市立大学, 大学院・システム自然科学研究科, 教授 (60221941)
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Keywords | 分子系統 / 次世代シーケンサ / 爬虫類 / ヘビ類 / 核ゲノム / cDNA |
Research Abstract |
核ゲノムにコードされる遺伝子には一般にイントロンが含まれるため、そのcDNA全長塩基配列を複数の動物種から迅速に並列解読して分子系統解析を行うことは従来容易でなかった。本研究では、その目的のために次世代シーケンサーを用いたアプローチを試みる。平成22年度は、シマヘビ(ナミヘビ科)の肝臓からmRNAを調製してランダムプライマーからの逆転写を行い、Roche GS FLX型次世代シーケンサーによって約21万readのcDNA断片塩基配列を決定した。これらをアセンブルさせBLAST解析を行ったところ、200以上の遺伝子座のcDNA塩基配列を迅速かつ正確に決定できた。これらは主として高発現のハウスキーピング遺伝子から成るが、中には組織特異的な発現パターンを示すと思われる遺伝子も含まれていた。もっと発現量が少ない遺伝子では十分なread数が得られず、次世代シーケンサーのデータだけからcDNA全長塩基配列を決定することは困難であった。しかし、得られた部分配列データに基づきRACE法を適用することで、cDNA全長塩基配列を比較的容易に決定できた。これらの遺伝子座の中には、脊椎動物の広範な分類群においてゲノム中で単一コピーである、適度な速度で分子進化するなどいくつかの要件に照らして、分子系統解析に適すると判断されるものが相当数含まれていた。今後、本研究のアプローチを爬虫類の他の分類群にも適用して、得られたデータをシマヘビのデータと併せて分子系統解析を行いたい。
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[Journal Article] 進化学のすすめ2010
Author(s)
熊澤慶伯
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Journal Title
Annual Review 2009. Graduate School of Natural Sciences, Nagoya City University
Volume: 14
Pages: 35-43
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[Presentation] Sex chromosome evolution in snakes2010
Author(s)
Matsubara K., Toriba M., Tarui, H.Yamada K., Nishida C., Agata K., Matsuda Y., Kumazawa Y.
Organizer
The International Symposium on Biodiversity Sciences 2010 "Genome, Evolution and Environment"
Place of Presentation
ルブラ王山ホテル(名古屋市)
Year and Date
2010-08-01
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