2010 Fiscal Year Annual Research Report
真核細胞誕生機構の解明に挑む-ミトコンドリア分裂装置のポストゲノム情報を基に
Project/Area Number |
22657061
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
黒岩 常祥 立教大学, 理学部, 教授 (50033353)
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Keywords | 色素体分裂マシン / ミトコンドリア分裂マシン / 内外分裂マシン / 真核細胞起源 / 液体-MS解析 / ポストゲノム解析 / マイクロアレイ / 原始紅藻シゾン |
Research Abstract |
本研究の目的は、原始紅藻シゾンの葉緑体とミトコンドリアの分裂マシンを単離し、それを構成する全タンパク質とその遺伝子を同定すること、これらの遺伝子の分裂増殖における役割と進化的意味を同定することある。本研究ではこの目的に沿って研究を遂行し、次の成果を得た。 1.M期前期と後期の細胞ではミトコンドリア分裂マシンが不安定であり、この分裂マシンのタンパク質を直接同定できなかったが、次の方法で同定した。ミトコンドリア/色素体分裂マシン複合体と色素体分裂マシンを得た。これらを液クロ・MSにかけ、前期の細胞から得られたミトコンドリア/色素体分裂マシン(M+P)の複合体からタンパク質を同定した。次に、色素体分裂マシンとミトコンドリア分裂マシンの複合構造が乖離する後期の細胞から、色素体分裂マシンを単離しタンパク質を同定する。この色素体分裂マシンから得られた全タンパク質(P)を、複合体の全タンパク質から引くことによって((M+P)-P=M)、ミトコンドリア分裂マシンの全タンパク質と遺伝子を同定した。 2.このミトコンドリア分裂マシンの全タンパク質を解析した。ほとんどの分裂に関わる遺伝子は、細胞周期特異的に発現するので、マイクロアレイでその発現様式を検証し、分裂マシンの内か外かを決定するためにシグナルペプチドの有無や原核生物のゲノム情報を使って調べた。その結果FtsZタンパク質の形成を促すZEDタンパク質が内側に発見された。 3.単離されたZED遺伝子をGFPや各タンパク質の抗体を使い、局在や発現時期を調べ、その遺伝子破壊技術で機能を解析した。その結果、この遺伝子の一部に細菌のゲノムにあるZAP遺伝子の一部が残っていた。これは真核細胞誕生機構を考える上で重要な知見となった。
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Research Products
(23 results)
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[Presentation] 色素体分裂リング遺伝子の機能解析2010
Author(s)
吉田大和, 黒岩晴子, 三角修己, 吉田昌樹, 大沼みお, 藤原崇之, 八木沢芙美, 廣岡俊亮, 井元祐太, 松下一信, 河野重行, 黒岩常祥
Organizer
日本植物形態学会第24回大会
Place of Presentation
名古屋(春日井)
Year and Date
2010-09-10
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[Presentation] 真正粘菌のミトコンドリア核の構築と機能発現に協調的に機能するGlomとGlom2の解析2010
Author(s)
伊藤喜重, 泉亜紀子, 森稔幸, 由比良子, 前田桂, 堂前直, 金岡雅浩, 黒岩常祥, 東山哲也, 室伏きみ子, 河野重行, 佐々木成江
Organizer
日本植物学会第74回大会
Place of Presentation
名古屋(春日井)
Year and Date
2010-09-09
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