2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22657062
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
野中 弘二 高知工科大学, 工学部, 教授 (70330777)
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Keywords | 形態 / 化石化の過程 |
Research Abstract |
本研究は、発掘される化石骨格、特に「歪んで出土した先史人類の頭骨」の復元モデルを得るため、化石形成プロセスを工学的手法で再現し知見を得ることを目的とする。まず、時を経て埋没地層内での圧縮変形過程を、活性化エネルギーパラメータ(温度と圧力)の変更により短い時間で再現する「加速試験」の可能性を実験的に確認する。この知見に基づき、変成した破片の再配置だけでは復元困難な化石資料を、変成前の形状にデータ上で修正し、「完全体をCGで再現するための修正パラメータを提供する」ことが最終目標である。 本年度(平成22年4月1日~平成23年3月31日)の研究実施内容 埋没中の変成過程に影響を与える環境パラメータとしては、圧力と温度が大きい。そこで疑似地層として熱、圧力に強いカーボン樹脂容器に頭骨モデルとコンパウンドを入れ一定時間、一定の圧力上昇で頭骨資料のダミーを100kNまで圧縮した。前後の試料の変成率を計測した。形状は高精度のヘリカルCTスキャンによる形状透視で埋没状態で計測した。同様の実験を異なる温度、圧力環境でおこなって変化を確認し、加速率を推計した。0℃近傍と50℃近傍の設定温度で同様の実験をおこなった場合、変形速度に約2倍の差あることがわかった。連携研究者と打ち合わせを行い、歪み形状は発掘される化石資料と類似性が見られるとの意見を得た。校正のため周辺コンパウンド単独の圧縮の進行速度も調べ、同様の傾向があることがわかった。今後歪み率のパラメータ依存性を割り出す。この実験/解析結果を、異なる素材との比較を行い加速率を校正し、H23年度に成果を発表する。
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Research Products
(1 results)