2010 Fiscal Year Annual Research Report
生体リズム受光器の周波数特性に基づく新規光源・照明装置の検討
Project/Area Number |
22657064
|
Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
森田 健 福岡女子大学, 人間環境学部, 教授 (20326474)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻村 誠一 鹿児島大学, 工学部, 准教授 (10381154)
|
Keywords | 環境 / 生理学 / 光 / 生体リズム |
Research Abstract |
光はヒトの生体リズムに強く関わっており、特に夜間に浴びる光は睡眠や体温、内分泌リズムを撹乱し、人の健康に大きな影響をもたらす。しかし、現代生活には夜間の人工照明が必須であり、行動・行為上で必要とする明るさを得ることと、生体リズムへの影響を少なくすることのジレンマを抱えている。本研究は、我々が予備実験から見出した、生体リズムに関わる受光器であるメラノプシンを含む神経節細胞(以下mRGCと略す)の光刺激に対する周波数特性を更に充実させ、それを基に、上記ジレンマを解決する光源・照明装置開発への知見を得ることを目的としている。 本年度は他の受光器への刺激量は一定に保ちながら、mRGCだけを選択的に刺激する多原色光源装置の改善を行った。さらにその機器を用いてmRGCへの刺激量だけを選択的に変化させた場合の網膜電図への反応、および明るさ感への影響を確認した。mRGCを選択的に刺激した場合の活動電位を網膜電図による把握から、提示刺激の周波数変調により特徴的な変化を示す可能性を確認した。また、mRGCの明るさ感への寄与の可能性が見られ、これまでの錐体・桿体に加えた明るさ感メカニズムの存在が推測された。これらの結果を踏まえ、投入エネルギーの増加を抑えながら、明るさ感の確保、生体リズムへの影響減少を考慮したmRGC周波数変調刺激制御法を考察した。
|