2011 Fiscal Year Annual Research Report
MRIとCT画像によるチンパンジーの脳の発達過程の研究
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22657066
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Research Institution | Chubu Gakuin University |
Principal Investigator |
三上 章允 中部学院大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40027503)
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Keywords | 人類学 / 解剖学 / 神経科学 / 脳 / 霊長類 |
Research Abstract |
生物界の進化の解明の中で、ヒトの進化の解明は最重要課題である。とりわけ、ヒトの脳の進化は、ヒトを地球上の生命の頂点にまで進化させた主要な柱である。進化の解明の手法の1つとしてし、化石人類の頭蓋の骨の解析がある。頭蓋の骨は、骨の中に収まる脳のサイズや形の進化についてのデータを提供してくれる。しかし、脳そのものの情報は、化石人類の骨からは得られない。そこで現生の動物の脳を系統比較する研究が行われてきた。特にチンパンジーの脳は遺伝的距離がヒトに最も近いことにより注目されてきた。本研究では、生きたチンパンジーを被験者とし、MRI画像が不得意とする骨の画像を含むCT画像とMRI画像を比較検討し、T1画像からCT画像で判定した骨の内縁を推定した。この研究と並行して、マカカ属サルのMRI画像と同じ個体の髄鞘染色による組織像の比較を行ない髄鞘形成の変化がMRI画像にどのように反映するかを検討した。平成23年度および平成24年の継続研究で行ったの研究では、コザル2頭とオトナ・ザル2頭の脳の組織標本を作成し、細胞染色(クレシル・バイオレット染色)と髄鞘染色(ファストブルー染色)を行った。組織標本はきれいに染色でき鮮明な画像を得ることができた。また、平成23年の夏には古いMRI装置を用いたためMRIの画像の鮮明度が不足していたが、平成24年に行った継続研究では、新たに導入したMRI装置を用いることによりMRI画像も組織標本画像と比較することのできる十分な解像度が得られた。これらの研究と同時にチンパンジー頭部のMRI計測のT1強調画像の高信号領域より推定した髄鞘形成の発達変化についての研究を継続した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新しいMRI装置が導入されたため、研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年、平成24年に得られた組織標本のデータとMRIのデータを比較検討する。また、MRI,CT画像の比較、チンパンジー頭部のMRI計測のT1強調画像の高信号領域より推定した髄鞘形成の発達変化についての研究を継続する。
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Research Products
(1 results)