2011 Fiscal Year Annual Research Report
生理人類学への応用に向けた頭部非拘束型視野形状計測
Project/Area Number |
22657067
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
小谷 賢太郎 関西大学, システム理工学部, 教授 (80288795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝尾 隆文 関西大学, システム理工学部, 助教 (10454597)
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Keywords | 視野検査 / 緑内障 / 眼球運動 |
Research Abstract |
本研究では随意的な眼球運動を通して、視標を発見した際に生起する固視パターンを重畳することで、視野領域を抽出する視野検査手法を提案し、視野形状計測につながる開発を行っている。昨年度のシステム評価では実際に視野異常を持つ患者群のデータ解析から、視線検出が出来た被験者全員で特徴的な視野異常を検出することができたが、固視不良のような影響がみられ、全体的に異常でない部分で異常と判定している場合があるため、固視不良が相関係数を下げる原因になったと思われ視標呈示位置の補正が必要であると考えられた。そこで、最初に提示する視覚刺激輝度コントラストの視認率に応じて、2回目に提示する視標は1回目が視認可の場合は輝度コントラストを低く、1回目が視認不可の場合は輝度コントラストを高くすることでシステム全体の精度の向上を図った。その結果、HFAにおけるクラスター内の平均網膜感度と提案システムにおける視認ポイントの相関係数が0.56~0.89と向上させることが出来た。さらに、全被験者に行ったアンケートの結果、現在臨床で用いられている検査で問題点とされている、1点固視の維持を必要としないという点や検査による疲れが少ないという点で高い評価を得ることができた。このことから、現在臨床で利用されている視野検査のもつ問題点を解決することができ、腰椎疾患などの腰部に不安を持つ高齢被験者でも視野検査ができるという効果が得られると考えられる。また、提案システムを用いた検査時間は5~15分程度かかるためHEへによる検査と必要な検査時間は変わらないが、アンケートによると検査時間をHFAより短いと感じていた。提案システムでは被験者が視標を発見後に自発的な視線移動というタスクを与えていたので時間の形成過程に注意が向かなかったため、時間の過小評価が発生したと考えられる。
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Research Products
(11 results)